先生が絵を描き始めたのは、兄弟を失ったことへの虚無感を忘れるためだと聞いた。あたしを雇ったのは、絵に熱中して身の回りのことが疎かになり、それを代わりにやってくれる誰かが必要だったから。そして、あたしを抱くのは、あたしが先生のそばにいるから。先生はあたしに、絵でも埋まらなかった虚無感を満たすことを求めている。
先生は、あたしが何をしていても先生を一番に優先することを知っている。あたしが皿洗いをしていても、掃除をしていても、ハーブを採っていても、あたしを探し出して、抱き締めて首筋に何度もキスをする。君は温かいねと言って優しい体温が伝わる日は、先生は少しだけ寂しい日。何も言わずにあたしを寝室に連れ込む日は、誰かの体温が欲しい日。そういう時はたいてい、顔に似合わないような激しいセックスをするのだ。