あなたが女の子の体になって良かったと思うこと。私があなたのおしゃれにあれこれと口を出せること。困ったこと。キスをする時、それ以上のことをする時。とてもいけないことをしているような気になること。
いつもみたいに私の腰を抱いて、頭を押さえて、けれど触れる唇はいつもより格段に柔らかくて。固い胸板も、今は柔らかな双丘に変わっている。首に腕を回すと、舌が絡んでベッドに押し倒される。
「アニータ…」
「……」
「目をそらさないで、私を見て」
だってあなたって女の子になっても魅力的で、そんな人に押し倒されてキスまでされたら、恥ずかしくって体の熱が上がって、そのまま溶けてなくなってしまいそうなんだもの。彼はもう一度、熱っぽい声で私の名前を呼んだ。柔らかい唇にもたらされた激しい口付けと共に、冷えた指先が服の中に入ってくる。私の体がビクリと震えたのがわかると、イライは少しだけ笑った。
「アニータ」
「んん…なあに…?」
「……うん、やっぱり君はかわいいね」
次に彼の唇が触れたのは首で、そのままそこを強く吸われた。男の体でもよくやっていたこと。どんな姿になってもイライはイライだ。そう思うと、嬉しくてたまらなかった。同じ女の体でも、彼は私を求めてくれている。いっそ泣いてしまいそうになった。
「イライ…」
「アニータ」
何度キスをしても足りないくらい、彼が愛おしい。イライ、好きよ。愛しているの。私が言うと、彼の動きが止まった。
「本当に君は……」
イライはため息をついて、私を抱き起こす。私のワンピースを脱がせて、自分も服を脱いで、もう一度深くキスをした。私を抱き締めて押し倒す。青い瞳は、不似合いなくらいの熱と欲に染まっていた。イライと呼ぶと、アニータと呼び返される。
「こういう時、男の体でないのが嫌になるね」
君を満たしてあげられないとイライは言ったけれど。私は今でも十分満たされていた。私に触れるのがあなたというだけで、私とセックスをするのがあなたというだけで、私は十分満たされるのだ。