週末は恋人


ラブラブ時空の荼炎。Twitterアンケートによる結果、「荼炎のスケベ」「ラブラブ」「股間」のキーワードでできたスケベ小説です。


*   *   *


月末、炎司は締め作業に追われて帰宅時間が遅くなっていた。家に着いたのは日付もまわろうとしていた時刻で、明日が休みであるのが幸いだ。
炎司がマンションのドアノブに手を掛けると、カチャリと軽い音がして扉が開く。鍵をかけ忘れたのかと自分の不用意さを反省しながら中に入ると、玄関に見慣れた靴が置いてあった。
「よお、遅かったじゃねえか」
遠くから自分に呼びかける声がする。リビングのソファーで息子の燈矢がくつろいでいた。
「どうやって入った……!?」
「合鍵作った」
ガラステーブルの上に小さな鍵が置いてあり、それはまさに炎司の部屋の鍵と同じものだった。以前来た時にこっそりと作ったらしい。
「帰ってくんのおせえんだもん」
むくれた息子がそっぽを向く。いつもは来る直前に連絡を寄越すのだが、驚かせたかったらしく、内緒で遊びに来たらしい。だが想定外に遅い帰りに、すっかり機嫌を損ねてしまったようだ。
燈矢は轟家の長男である。炎司は家族と別居しており、殆ど会っていない。炎司から連絡を取ることは禁止されていて、長女や末の息子から時折届く手紙を一方的に受け取るだけだ。随分昔、裁判でそういう約束を取り決めた。
燈矢は成人後、突然父の元を訪ねた。家族の中で一番父を慕っていて、別居する際も最後まで抵抗していた。連絡もなしに現れた時、炎司は随分と驚いた。もう子供じゃないからいいでしょう? 許しを乞う燈矢の姿が健気で、炎司は心底嬉しかった。ずっと会いたかったのは炎司も同じだった。それから、燈矢は炎司の仕事が休みになると、必ず遊びに来るようになった。
燈矢は父が好きなあまりに変なところがあって、それはこうして勝手に合鍵を作ることも含まれている。しかしそれも日常茶飯事なので、炎司は特に咎めるようなこともしなかった。全て自分を好きだという愛情からきた行動だと思うと炎司はとても愛しく思えたのだ。
炎司は手に持っていたスーパーの袋を置き、燈矢の隣に座った。むくれていた燈矢がすぐに笑顔になって二人はキスをした。
燈矢はキスをしながらズボンのジッパーを下ろしていく。下着をずらし、キスだけで半勃ちになったペニスを取り出した。
炎司は燈矢のペニスを見ただけで口の中に涎が溢れる。じっと見つめているだけでむくむくと大きくなっていくペニスが可愛らしく、いやらしい。
炎司は床に降りると、燈矢の股間に顔を埋めた。口の中で温まった唾液が燈矢のペニスを濡らしていく。炎司の口の中は熱く、絡みつく舌が気持ち良かった。炎司の口腔と燈矢のペニスの熱が一つになって、ぐちゅぐちゅといやらしい音を立てながら先走りと唾液が混じり合う。ふうふうと荒い父の鼻息が噴火を思わせて、燈矢は父のマグマのような口の中でペニスが溶けてしまったような錯覚がした。
炎司は口内に燈矢のペニスを収めたまま、舌をぐちゅぐちゅと動かした。刺激されたペニスから燈矢の先走りが溢れ出し、生臭い匂いと味が一層強くなる。炎司はペニスを強く吸い込むと同時にそれを飲みくだし、喜びから無意識に微笑を浮かべた。
陰茎体が膨らみ、亀頭のくびれがよりはっきりしてくると、炎司は顔を前後に動かし始めた。口を窄ませ、ペニスの根元をきゅっと強く締めながら、勢いよく顔を引く。炎司の唇がカリ首に引っかかると、今度は燈矢の股間目掛けて一気に顔を押し戻す。常に口を窄めることを意識しながら、炎司の口の中に再び燈矢のペニスが収まった。炎司はそれを繰り返し、徐々に顔を前後させるスピードを上げていく。そう躾けられた獣のように、炎司はちゅぶちゅぶと下品な音を立てることも気にせずピストン運動を続けていた。
ペニスをしゃぶることに夢中な炎司は、息苦しさから涙を流しても、鼻水がみっともなく垂れて顔がぐちゃぐちゃになっても燈矢のペニスを咥え続けた。慢性的に続く呼吸難から顔は真っ赤になり、炎司の体から汗が噴き出す。興奮も相まって火照った体は、全身から燈矢に抱かれたいと発情する。
「ッく……! イくッ……!」
父にしゃぶりつかれていた燈矢が悶える。炎司の髪の毛を掴んでぎゅっと力を込めた。
燈矢の射精が近いと思うと、炎司の愛撫にますます力が入る。ジュポジュポと品のない音が激しくなり、炎司の舌がべろべろと忙しなく動いた。
「っちまう………! 離せよッ……お父さんっ……!」
燈矢は力一杯父の髪の毛を引っ張り上げるが、炎司は息子のペニスを咥えたまま離さなかった。勃起したペニスで口の中をいっぱいにしてると、まるでおしゃぶりをした赤ん坊のように落ち着くのだ。すっぽんのようになった父の口は、力の抜けた燈矢の抵抗ではびくともしない。あと少しで燈矢の精液が貰えるんだと思うと、炎司の本能が燈矢の抵抗を拒絶する。炎司の体がここでチンポを離すわけにはいかないと訴えているのだ。
顔をぐちゃぐちゃにしたまま鼻の下を伸ばし、頬を凹ませた父の顔はあまりに醜く、しかし燈矢には強烈に刺激的だった。じゅるるるるっという意地汚くペニスを啜る父の口内に吸い込まれるように、燈矢は溜まった精液を吐き出した。
「はぁっ……また……出ちゃったじゃん、………ったく………」
「っ、す、すまない……」
「お父さんのナカに出したいって、いつも言ってんじゃん……」
息子の精液を飲み込んでなお、口の端から涎を零した炎司の姿を見ると、その言葉の説得力は薄い。実際、炎司は燈矢の精液を飲むのが好きだった。
一度射精してしまうと、燈矢がまだ若いとはいえ、少しインターバルが必要になる。燈矢は出来るだけ自分の精液を父のアナルの中に吐き出したいのだ。大好きな父と子作りをしているようで、燈矢にとっては大事なこだわりだった。だからいつも射精する前に挿入へ切り替えたいというのだが、いざ始まってしまうと炎司はそんなことをすっかり忘れてしまう。燈矢の頼みごとは何でも聞いてあげたいのに、ペニスをしゃぶっているとそんな意識はどこかへ飛んでしまうのだ。
燈矢が大きな溜息を吐いたあと、美味しかった? と問えば、炎司は先程の積極さはどこへやら、恥じらいを見せながら小さく頷く。処女のような仕草を見せながら、スラックスを持ち上げた股間が雄々しくて、燈矢はそんな父に苛立ちにも似た昂りを覚える。下着の中で勃起した父のペニスが、だらだらとエッチな汁で汚れていることを想像すると、一度冷めた熱はあっという間に蘇る。
炎司は燈矢の太ももにそっと手を置き、猫化の動物が甘えるように上目遣いになる。興奮した体は疲労や空腹なんて忘れ、燈矢の熱を求めてどうしようもない。甘えるように唇を尖らせれば、燈矢はぐちゃぐちゃになった父の顔へ愛しそうにくちづける。二人の週末はまだ始まったばかりだった。



2021/04/03