天使なんかと恋 おまけ
二人は夕暮れの道を歩き、ベジータの自宅に向かった。一度悟空の記憶を消してしまったために、カカロットはおじいさんの家に戻ることができなかった。記憶をやり直すためにはある程度の時間が必要らしく、カカロットは一晩だけベジータの家に泊めてもらうことにした。
カカロットがベジータの自宅に入ったのは二度目だ。初めて会った時以来のことで、その時は地球に降りたばかりで気付かなかったが、ベジータの家はとても大きい。学校の運営以外にも、不動産会社を経営しているらしく、とてもお金持ちだった。
ベジータの自宅に親は不在だった。出張が多く、家にいることは少ない。
カカロットは言われるままベジータの部屋に入る。いくつか部屋が空いているようだったが、ベジータの部屋で寝るようにと言われた。
だがなるべくベジータの邪魔にならないようにとカカロットは気を遣う。どんな狭い部屋でも構わないといえば、ベジータは急に黙った。室内はしんと静かになって、カカロットは気まずくなる。変なことを言ってしまったのかと心配していると、ベジータが小さく口を開いた。
「ここにいろ」
ベジータはそう言ってカカロットと距離を詰める。カカロットは気恥ずかしくなったが、ベジータは真剣な顔をしていた。二人の膝が触れ、カカロットは緊張で息を飲む。ベジータと触れあった場所に気をとられていたら、カカロットの目の前にベジータの顔が近付いていた。
そっと唇が重なった後、ゆっくりとベジータの顔が離れる。カカロットは目を白黒させていた。
おめえ、なにすんだよ。
状況が飲み込めないカカロットは戸惑っていた。
きさまが……いつ、いなくなるかわからんからだ。
覚悟を決めたベジータが、強い眼差しでカカロットを見つめていた。
※同人誌にした時に少しだけオマケを長くしています。
2020/09/27