不安にさせないで
付き合ってるんだけど不安が消えない三ツ谷が自分への気持ちを試すために八戒へ無茶ぶり。
ローターいれたまま集会に行かされてマジで嫌だけど大好きなタカちゃんのお願いだから……と受け入れる八戒の話。
三ツ谷はこんなこと言わないしみつはちはこんなことにならないよ……と思いながら……書き……
* * *
限られた小遣いで買うべきものは決まっている。無駄なものを買う余裕は三ツ谷にはない。では壁びっしりに並べられた商品の中でそっと手に取った怪しい箱は三ツ谷にとって無駄ではなかったのか。
三ツ谷は渋谷にあるドンキホーテから一人店を出る。黄色の派手な袋の中には怪しげな文字で彩られた箱が一つ入っていた。狭い自宅で妹たちに見つからずに隠せる場所なんてないのだから、これはさっさと目的のために使うに限ると三ツ谷は思った。
夜、八戒と共に東卍の集会へ三ツ谷は向かう。いつも後部座席に八戒を乗せ、二人乗りして行くために、三ツ谷は八戒の自宅へとバイクを走らせた。
八戒は自宅から外に出て、玄関で一人待っていた。三ツ谷のバイクの音に気付いて、遠くから手を振る姿が見える。三ツ谷は八戒を拾うと、東卍の集会場所へまっすぐ向かわず、近くにある小さな神社へと寄り道する。
「用事でもあんの?」
三ツ谷の背中から八戒の声が聞こえる。三ツ谷は聞こえないふりをして先を急いだ。
神社の前に着くと、バイクを止めた三ツ谷が降りて、と小さく言った。何が何やら分からないまま、三ツ谷の言われた通りに八戒がバイクを降りる。そのまま手を引っ張られ、二人は階段を上がっていった。
街の小さな神社は暗く、人の気配はない。三ツ谷は更に奥へと進み、木の影で暗闇となった場所まで入り込んでいった。
外からは完全にわからない場所まで進むと三ツ谷の足が止まる。くるりと振り返って八戒に向き合うと、三ツ谷はポケットの中に手を突っ込み、何かを握りしめたまま取り出した。大切な、はたまた秘密にするようにしっかりと握り込んだ手の中には、紐が付いた楕円形の物質があった。
「ローターじゃん!」
どぎついピンク色をした物質を見て八戒の顔が赤くなる。それが何に使われるものなのかを理解していた。
「タカちゃんそんなものどうしたんだよ」
おっかなびっくりする八戒に三ツ谷は買った、と小さく答えて、八戒の驚きが更に大きくなった。
「八戒が使うところ見たくて」
三ツ谷は照れ臭そうに、しかしじっと見つめて八戒にいう。三ツ谷の熱視線に耐えきれず、八戒が生娘のように俯いた。
「これ、尻に入れてみろよ」
三ツ谷が八戒の手をぎゅっと握った。まさか、と思った八戒が恐る恐るいう。「いま?」
三ツ谷は頷く。八戒はえー!? と大きな声で拒否反応を示した。
「タカちゃんマジでいってる? これから集会だよ?!」
「大丈夫だって。バレねえようにするから」
三ツ谷は手を握ったまま八戒と距離を詰める。俯く八戒を三ツ谷は下から覗くように見つめていた。
二人は付き合っている。まだ半年ほどしか経っていないが、付き合う前から仲が良かったこともあり、関係はとても良好。ただし、付き合っていることは誰にも言っていない。
三ツ谷は八戒のことをいつでも可愛いと思っているし、一緒にいればいるほど好きだという思いが強くなっている。
同時に、八戒と付き合うことになったのは夢みたいだとも思っていた。所詮友達止まりで終わると思っていた関係を前に進めたのは八戒からの告白だった。
三ツ谷は八戒と付き合ってから毎日が幸せで、それと同じくらい不安だった。八戒にもっと好きな人ができて、いつか別れる日がくるのではないかと思わない日はない。
しかし、三ツ谷の不安に反して、八戒は毎日のように愛を伝える。自分に向けるストレートな愛が三ツ谷の不安を解消するが、それは限りなくゼロに近くなるだけで消えたりはしない。
三ツ谷は八戒の体を優しく抱きしめ、ぐじぐじと文句をいう恋人を優しい声色で宥める。あれやこれやと言葉を並べると、八戒の言葉からだんだんと棘が抜かれ、終いにはわかった、と諦めたように言った。
「どうしたらいいの?」
八戒は頬を染めて尋ねる。三ツ谷は微笑むと、八戒の体に回した手を特服のズボンの中に滑り込ませた。下着の上から小ぶりな尻を揉みしだき、八戒は恥ずかしさと戸惑いで目を伏せる。三ツ谷の温かい手がするりと下着の中に忍び込むと、尻の割れ目に這わせた指先の一つが、尻肉を掻き分けて奥へと入り込んだ。
きゅうと閉じた八戒の尻の穴を探り当てると、三ツ谷の指先が表面をなぞる。閉じたクチをこじ開けるように指先で擦られれば、否応なしに蕾がヒクヒクと反応する。
目を閉じた八戒の表情が少し険しくなるのを見ると、三ツ谷はポケットから旅行用の小さな携帯ボトルを取り出し、手のひらにとぷりと液体を下ろす。潤滑剤で濡れた手が洋服に触れないようにズボンを引っ張りながら、三ツ谷は再び八戒の下着の中に手を入れた。一度探り当てた蕾を目指して指を伸ばせば、八戒の控えめなアナルが三ツ谷の手によって暴かれる。
クチュクチュといやらしい音が耳に届くと、八戒は縋るように目の前の三ツ谷を抱きしめる。怯える子供のような八戒を横目に、三ツ谷の指がすんなりと尻の穴に入ると、三ツ谷はそこを広げるようにぐりぐりと激しく動かした。三ツ谷の指が八戒の直腸で暴れまわり、ある程度広がったことを確認すると、待ちかねていたピンク色のローターが潤滑剤に塗れる。毒々しい色をした卑猥な玩具が三ツ谷の手の中に消えると、八戒の尻の穴に固い物質があてがわれる。温もりのない小さな物質が尻の穴に押し付けられると、三ツ谷の解した小さなクチはそれをすんなりと飲み込んでいった。
「どう?」
尻の中に収まった小さな物質について、三ツ谷は無邪気な子供のように尋ねる。
「ヘンな感じ」
八戒はそう言って、自身の尻を服の上から触る。しっかり中に挿入されているため、表面からは何も分からない。
気持ちいい? と三ツ谷が続いて尋ねたが、八戒はべつに、と素っ気なく答える。八戒は中に異物が入っている感覚しかなかった。
三ツ谷はふーん、とつまらなそうな反応を見せた後、再びポケットに手を突っ込んでローターと同じ色の機械を取り出した。
これ、リモコン。三ツ谷はそう言ってスイッチのついた機械を見せつけると、掴んでいた指がゆっくりと動き、カチ、という音を鳴らした。
「あっ!」
八戒の尻の中に埋まったローターが小さく震える。バイブレーション機能は段階があり、三ツ谷の指は一番小さなメモリに合わせていた。八戒の体に埋められたローターは、下着やズボンの下で音がこもり、振動音は外へ聞こえてこなかった。リモコンを持つ三ツ谷と、ローターを入れられている八戒以外、傍からは何が起きているのかわからなかった。
「集会が終わるまで、今日はこのままな?」
三ツ谷はリモコンをポケットに隠すと、八戒の特服を整えてその手を引いた。
ヤダよ、タカちゃん。
再びぐずる八戒に、三ツ谷はガマンな? と優しくも意地悪な微笑みを浮かべていた。
三ツ谷と付き合うようになってから、八戒は三ツ谷の意外な一面を知ることが多くなった。八戒は三ツ谷の人が変わってしまったように思えたものの、そんな三ツ谷を嫌いにはなれなかった。仲間内で優等生である三ツ谷が無理を言うのは自分だけで、八戒はそれを、ある意味での特別扱いと捉えたからだ。意外な一面を見せるのも恋人である自分だけだと思うと、八戒はいくら嫌だと思っても結局許してしまうのだった。
二人はいつも通りバイクに乗ると、開始時間間近の集会に急ぐ。バイクが小さな砂利を踏み、ガタンと振動を起こすたび、八戒は尻に響いてむず痒い気持ちになった。
もっと優しく運転してよ。八戒は後ろから訴える。
急がねえと遅刻するから。三ツ谷はそう言って遠回しに断った。
八戒はぶーぶーと文句を言ったが、最後には諦め、三ツ谷の背中にくっついた。自分の体を固定するための策だったが、それは逆効果になった。三ツ谷の匂いが強くなり、八戒はもやもやとした気持ちが強くなって、収まりの悪い尻をくねらせることになった。
集会場所にはほとんどのメンバーが揃っていた。三ツ谷は足早に前を歩き、ドラケンたちに挨拶をする。八戒の状態なんて知らぬとばかりに飄々としていて、八戒はそれを恨めしい気持ちで見ながら三ツ谷の後ろをついて歩いた。
一歩動いただけで八戒の尻の中に埋められたローターが暴れる。入り口付近に埋められただけのそれは、丁寧に広げられた八戒のアナルから零れ落ちそうになる。慌てて尻の穴に力を入れ、きゅっと閉じると、微弱な振動でもゾクゾクするような痺れが走った。せめてもっと奥まで入れてくれたらよかったのにと思いながらも、実際そうであれば今以上の刺激に平気な顔をしていられないのもわかるので、八戒は手詰まり状態の今が一刻も早く終わればいいと思った。
集会中、三ツ谷は八戒の隣にいて、いつも通りにマイキーやドラケンの報告を聞いていた。隣にいる八戒はみんなが何の話をしていたかほとんど耳に入らず、熱を持つ下半身を抑えることばかり考えていた。
「解散!」
ドラケンの腹に響く声が境内に木霊し、八戒はハッと顔を上げる。ようやく終わったんだ、と潤む瞳を三ツ谷に向けると、三ツ谷は八戒の感情を汲むように小さく笑った。
「三ツ谷、オマエも残らねえか?」
ドラケンがマイキーのほうを指差していう。各部隊の隊長たちがぞろぞろと集まっていた。
次に潰すチームの計画を立てるのだろうか。そうなれば三ツ谷も残らないわけにはいかない。隣で脂汗を掻きながら八戒は逡巡する。帰ろうよ、と言いたくても言い出せなかった。
「わりぃ、オレ用事あってさ」
チラ、と隣にいる三ツ谷が八戒へ視線を送る。ドラケンは特に気にもせず、三ツ谷に別れを告げた。
二人は集会場所から離れ、隠れられそうな廃倉庫を見つけると、バイクを端に止めて忍び込んだ。半泣きになった八戒の手を引いて、三ツ谷が灯りのない奥へと進んでいく。
埃っぽい倉庫には換気用に天窓がついていて、小さな窓ガラスから月明かりが差し込んでいた。二人は廃倉庫の奥でようやく互いの顔が見えるようになり、八戒はほっとした気持ちになっていた。
はやく、とぐずる八戒に三ツ谷が頭を撫でる。ベルトを外し、ズボンをずらすと、八戒がもどかしそうに下半身をくねらせた。
「オレ、ほんと、ヒヤヒヤしたんだからね……!」
八戒の股間は下着越しでも膨らんでいるのが分かった。そっとめくると、半勃ちになったペニスが濃いピンク色で発色している。
三ツ谷は思わずへらっと笑った。集会での緊張感の中、隣にいる八戒がこんな状態だったのだと思うと後ろめたい興奮でニヤついてしまう。
後ろは? 三ツ谷はそう言って、抱きしめるようにして回した手を八戒のお尻へと伸ばす。尻の割れ目の間から飛び出したピンク色の紐をピンっと引っ張ると、あ、と小さく八戒の声が漏れた。
「まって、」
「早く出して欲しいんじゃねえの?」
「そ、そうだけど、っ!」
いきなりは、びっくりするから。八戒は収まりが悪そうに足をもじもじとさせた。
じゃあ、わかった。三ツ谷はピンとひらめき、妖しい笑みを浮かべる。「見ててやるからよ。八戒が自分で出せよ」
「どういうこと?」
状況が飲み込めない八戒がぽかんとした顔を浮かべる。
「手、使わねえで出すの」
そういった三ツ谷が八戒の尻たぶを掴むと、尻の穴を広げるように左右へと引っ張った。
「え!?」
「八戒、尻にチカラ入れてみ?」
三ツ谷の意図していることは八戒だって分かる。問題は、それがすごく恥ずかしいということだ。
「タカちゃん普通に取ってよ!」
「なんで?」
「なんか……っ、なんでもいいから!」
八戒は言い淀む。
「オレは見てえんだけど、ダメ?」
三ツ谷はそういって、指先を伸ばし、八戒の尻の穴をツンとつつく。ほんの少し緩んだそこは、ピンクのローターがわずかに顔を出し、三ツ谷の爪の先が固いプラスチックにぶつかってカチっと音を立てた。
トンっと指先が当たっただけの小さな振動でさえ八戒の体がビクっと揺れる。なあ、と強請るように言いながら、三ツ谷は何度か爪の先でローターの尻を叩いた。トントンと小さくノックされるたび、ふっ、う、と八戒の息が漏れる。八戒はいじわるだ、と投げやりに呟いた後、観念したように頷いた。
八戒は尻を突き出すように背中をそらす。尻の穴に力をいれるためだった。三ツ谷がじっと自分の顔を見てくるのが恥ずかしくて耐えきれず、八戒は大好きな三ツ谷から顔をそむけていた。
「ン……ッ」
三ツ谷の両肩に手を置き、下腹部に力をこめる。尻の穴付近に留まっていたローターが、少しずつ押し出される感覚があった。八戒は三ツ谷に排泄を見られているような気分になって、恥ずかしさと同時に、ひどく惨めな気持ちになった。少しでも躊躇うと小さなローターが引っ込んでしまうので、八戒は思い切り力をこめて異物をひりだす。すっと抜け落ちる間隔の後、ローターが地面に落ちた音がした。
八戒は顔を真っ赤にして、頬には少し涙が伝っていた。はー、はー、という深い呼吸と、ドキドキと激しい心音が八戒の体の中でけたたましく鳴り響いていた。
「う……、ふっ、うう゛ッ……!」
八戒の目からボロボロと涙が零れ落ちる。集会前の神社から、ずっと我慢していたことが堰を切ったようにあふれ出す。
三ツ谷は泣き出す八戒を抱きしめる。嫌だった? ごめんな? その声色はひどく優しかった。
「ヤダ、あ、っあ゛、タカちゃん、っぐぅ、変なこと、ばっか、ぁ、」
ぽろぽろと涙を零す八戒を見て、三ツ谷は心の底から申し訳ない気持ちでいっぱいだった。誰よりも幸せにしたい相手を苦しませていることに、三ツ谷の心は痛くなった。
しかしその胸の痛みの傍らで、三ツ谷はこの上なく幸せだった。八戒が嫌なことでも我慢して耐えたのは、自分をそれほど好いてくれているからだ。
付き合ってからの三ツ谷はまるで別人のようだと思う八戒の考えは間違っていなかった。三ツ谷は自分でもどうしようもない不安に襲われると、八戒の気持ちを確かめるような無茶をいっている自覚があったし、そうでなければならなかった。絶対に嫌だろうと思うことを強請り、それを許してくれる八戒の姿を見なければ、心の平穏を保っていられなかったのだ。
だからこそ、八戒が泣いている姿が愛しくてたまらなかった。辛くても自分についてきてくれる八戒を見ると、三ツ谷は八戒に対する愛が深まっていくのを感じていた。
三ツ谷は八戒の目元にキスをして勇気づける。八戒を愛しているのだと行動で示した。
溢れて止まらなかった八戒の涙が止む。目の前には八戒のよく知る優しい三ツ谷がいた。
このままじゃつらいだろ。三ツ谷は温かい手のひらで八戒の背中を撫でる。
うん。八戒は三ツ谷の首元に顔を埋め、小さな声で頷いた。
三ツ谷は半勃ちになった八戒のペニスを掴む。うっすらと滲んだ先走りを手のひらに塗りつけ、ゴシゴシと擦り上げる。八戒のペニスはすぐにガチガチに固くなって、三ツ谷の手のひらに馴染んでいく。
三ツ谷が八戒の耳を甘噛みすると、ぴく、と小さく体を揺らした。八戒が三ツ谷の首元に埋めていた顔を上げると、三ツ谷はそっと顔を近付けてキスをした。
重なった唇は吸いついて離れない。三ツ谷の舌が八戒の口の中に割り込み、それはより深く溶け合った。
イタズラな三ツ谷の手は八戒の尻にも伸びて、先ほどまでローターが入っていた尻の穴を目指して指先が触れる。ぷつ、と第一関節が入り込むと、入り口で遊ぶように三ツ谷の指先が動いた。
ペニスを扱く強い刺激に、もどかしいほど微弱な尻穴への愛撫。口の中はいいように蹂躙され、もともとへとへとだった八戒は立っているのもつらく、足がガクガクと震えだした。
八戒がその体を預けると、終わりが近いことに気付いた三ツ谷はペニスを扱くスピードを上げていく。クチュクチュといういやらしい音が廃倉庫に響いて、肌寒い夜なのに二人の周囲だけ異常なほど熱かった。八戒のくだけていく足と引けていく腰に、三ツ谷の手は逃がさないとばかりに追い立てる。八戒のペニスからしたたり落ちる先走りがアナルまで伝い、入り口で遊んでいた三ツ谷の指はいつの間にか八戒の尻の奥まで侵入していた。
前と後ろから責められた上、唇を塞がれた八戒はあえなく射精し、吐き出した精液をぼたぼたと地面に落とした。零れた液体はすぐに土に浸み込み、漏らしたような跡となる。先に零れ落ちたピンクの物体もまた排泄を匂わせて、八戒は耐えがたい恥ずかしさを感じていた。
力が抜けて崩れ落ちる八戒を受け止めた三ツ谷は、そのまま背中から地面へ倒れこむ。大きな体を小さくして丸まる八戒を、三ツ谷は砂地の上で優しく宥めた。
2021/10/24