ホテルのドアを閉じたら


290話事件のその後。
色々ありすぎて甘える場所が焦凍にしかなくなった父と、呆れながらも自分勝手な親父に慣れてしまって、仕方ねーなと相手にする焦凍のスケベ。



*   *   *


スイートルームのドアが閉じると、炎司は身を屈め、焦凍にキスをした。遠慮がちに近付いた唇に焦凍が答えると、父は薄く口を開き、舌を伸ばす。甘えるように舌を絡めた炎司は、重なった唇の隙間から甘い息を吐いた。
炎司は力が抜けていき、キスをしながらゆっくり跪く。柔らかな唇が離れると、炎司は焦凍を上目遣いに見上げていた。物欲しそうな顔をするので、いいぜ、と焦凍が呟く。許可が下りると、炎司は焦凍のベルトに手をかけて外していった。ズボンのジッパーを下げ、下着の隙間から焦凍のペニスを引っ張り出すと、炎司は躊躇なくそれを口に含んだ。口の中に溜めた唾液を塗りつけ、反応のない焦凍のペニスを立ち上げていく。父が口を窄めて強く吸い込めば、圧迫される気持ち良さから焦凍のペニスが膨らんだ。炎司は手のひらで扱く刺激を織り交ぜながら、焦凍のペニスを勃ち上げていく。じゅぽじゅぽと品のない音を立てながら、炎司は己の顔を前後させ、焦凍のペニスにしゃぶりついた。みるみるうちに勃起した焦凍のペニスを満足そうに見ながら、炎司は再び焦凍を見つめる。
焦凍は跪く父を見ながら、もうすんのか? と呆れ気味に尋ねる。己のペニス越しに父の顔を見るのは、これで何度目になるだろう。炎司は巨体を小さくしながら、うん、と小さく頷いた。甘える子どものような父を見ながら、焦凍は溜息を吐く。

最近、和解しつつある二人の関係だが、セックスをするようになったのは随分前のことだ。父が憎くて堪らない頃から、焦凍は父と関係を持っている。人一倍厳しくしながらも過保護であった父は、焦凍に何もかも教えたがった。セックスもその一つである。はじめは嫌で、乗り気ではなかった焦凍だったが、回数を重ねて行く内に、悪いものでもないと思うようになった。父を好きになったからではない。セックスをしていると、横暴であった父が自分に対して従順になるからだ。それは回数を増すごとに強くなり、日常にも影響が出るようになった。
少し前から、二人の関係に変化が表れる。理由は敵連合との戦いである。死んだはずの兄・燈矢が、敵連合の荼毘だったのだ。死柄木共々追い詰めた筈が、取り逃し、いまだ決着はついていない。
焦凍や炎司が燈矢と話せたのは、あの時限りだ。炎司は未だに整理がつかないままだった。

二人はドアの入り口から、奥にあるキングサイズのベッドへと移動する。わずかな距離なのに父はキスをねだり、焦凍は面倒に思いながらも返してやった。
ベッドサイドに腰掛けるとまたキスを求めてくる父は、すっかり甘えん坊の子供のようである。
焦凍はキスをしながら、父の着ていたシャツのボタンを外した。炎司は焦凍に服を脱がされることを好む。大きな体の子どもにウンザリしながら、押し問答をするのも面倒なので、焦凍はいつも言われる前にするようにしている。
焦凍が炎司の服を脱がすと、父も焦凍の服を脱がせたがった。焦凍は父がやりたいようにさせて、二人はベッドの上に裸になる。
焦凍が仰向けに寝ると、炎司はその上に跨った。持参した潤滑剤をたっぷり手に取り、己の股座に手を伸ばす。ずぼずぼと無遠慮に指を突っ込み、炎司は己のアナルを解した。
炎司がアナルをほじっている間、炎司の勃起したペニスはゆらゆらと揺れていた。アナルをめちゃくちゃに掻き回すと、ペニスの鈴口からとぷりと液体が漏れる。吐き出されたそれは少し粘ついていて、ゆっくりと垂れ落ちて焦凍の腹を汚していた。
準備が終わると、父はガニ股に足を広げたまま、腰を浮かせるように体をそらせた。焦凍のペニスにもたっぷりの潤滑剤を塗り付け、手で固定する。背後に片手をついて体を支えながら、炎司はゆっくりと焦凍のペニスに腰を下ろしていく。よく広がった炎司のアナルが焦凍の亀頭を飲み込むと、炎司は喘ぎ声を上げながら全てを飲み込んでいった。
炎司の体内は蕩けるように熱い。中に収まったペニスを刺激するように蠢く直腸が程よい圧迫感を生んでクセになる。炎司は体を前屈みにしてベッドに両手をつくと、大きな尻を持ち上げたり沈めたりを繰り返した。
「ぉお゛ンッ、ンォッ、ンン゛ッ」
夢中になって尻を振っているかと思うと、炎司は身震いをして動きを止めた。直後にぎゅうっとアナルを締め上げ、焦凍のペニスにかぶりつく。中イキをしたらしく、炎司は一人で息を荒くしていた。
アナルが締まるのは気持ちがいいが、これだけでは到底射精には至れない。焦凍は動かなくなった炎司を起こすように、腰を下から突き上げる。焦凍に身を預けていた炎司は、奥まで突き上げられた強い刺激に、電流を受けたように大きく体を震わせた。炎司は朦朧としながら体を起こすと、再びぱちゅぱちゅと尻を上下させた。
炎司は焦凍の体の上で腰を振りながら、己の両乳首を摘んだ。勃起した乳頭をクリクリ弄りながら、炎司は気持ち良さそうに喘いだ。
焦凍がふしだらな父を見つめていると、父は豊満な胸を焦凍の顔に向かって押し付ける。乳首を舐めしゃぶって欲しいというおねだりだった。
「しょうと、しょうと、」
舌ったらずに甘える父に、焦凍は呆れながらも答えてやる。父が自分で勃たせた乳首を軽く舐めてやると、父は声を震わせて喜んだ。父は嬉しい、気持ちいいというように、何度も息子の名前を呼んだ。
「しょうとぉ……しょうとぉ……」
焦凍がちゅぱちゅぱと乳首を吸うと、父はもどかしそうに泣いた。炎司のペニスからダラダラと先走りが垂れ流され、焦凍の腹をべちょべちょに濡らす。
焦凍は乳首をしゃぶりながら、トンッ、トンッと腰を突き上げる。炎司はうっ、うっ、と呻きながら嬉しそうにしていて、もっとして欲しいというように体を密着させた。

荼毘の一件があってから、炎司は焦凍に特別甘えるようになった。それは無自覚で、しかし確実にエスカレートしていた。
エンデヴァーに対する世間の風当たりは厳しく、助ける者は誰もいない。唯一の味方であったホークスは、スパイ活動のせいでヒーロー活動を休止に追い込まれた。全く復帰の目処は立っておらず、炎司はホークスを巻き込んでしまったことにも負い目があった。
その上、轟家の家長として、炎司はまだ燈矢と何も話せていない。一方的に思いを告げられ、話し合いの場もなかったあの日から、炎司はずっと悩んでいた。父なりに愛した息子が歪み、対話も出来ぬままで、炎司はどうしたらいいか分からない。今すぐ助けてやりたいのに、息子に見放されたのだと思うと、炎司は呼吸もままならないほど苦しくなった。
炎司は以前より焦凍に会いたがった。それは焦凍に助けを求めることに近かったが、炎司は自分自身の変化に気付いていない。
焦凍は父を完全に許したわけではない。しかし炎司の思いを一方的に拒絶したりもしなかった。炎司はそれが嬉しかった。
焦凍は父の無自覚な行動と自分勝手さに心底呆れていた。結局何も変わっていないと苛立ちながら、そんな父に慣れている自分がいる。

炎司は体を倒し、焦凍にキスを求めた。焦凍は求められるまま与え、炎司は唇を重ねた。焦凍とのキスは気持ちよくて、炎司は何度だってしたくなる。炎司は巨体を丸めて縮こまりながら、自分より小さい体に思う存分甘えていた。
焦凍はキスをしながらゆっくりと腰を振る。うぅっ、ふゥッ、と父の吐息が甘く漏れる。腰を動かすスピードを上げると、炎司の体が大きく揺れて、反動で唇が離れた。しかし炎司は必死にしがみつき、焦凍とキスをしたがった。舌を絡めながら深く唇を重ね、炎司はニ度と離れないようにキスを交わす。だが焦凍のペニスが前立腺を擦ると、混ざり合ったはずの唇が離れていく。
「しょおっ、しょおとォッ、お゛ッ、ヤ、あっ、あっ、しょ、ッおお゛、ア、アッ」
焦凍のペニスが激しく父の肛門に出入りすると、ぐぽぐぽと淫らな音が激しくなった。焦凍の唇に甘えたいのに、直腸を擦られる快感に勝てず、炎司はぐずぐずと喘ぐ。それでも諦められず、ちゅーがしたい炎司は、焦凍から離れることも出来ずにしがみついていた。
ゴリゴリと前立腺を擦りながら、ズンと奥まで突き上げると、炎司の顔は涎と涙でぐちゃぐちゃになった。高まった快感は炎司の涙腺を壊し、炎司はボロボロと泣いていた。
「ああっ、しょぉ、ォおっ、あああっ、っひぐ、ううっ、しょ、おおッ、ッウー、しょおっ、ふっ、う゛う゛―ッ」
炎司は狂いそうになる快感に飲み込まれながら、それでも焦凍の名前を呼び続けた。
焦凍の律動の感覚が短くなると、炎司はしゃっくりのように短く息を吐いた。腰のスピードとともに高まっていく快感は、焦凍の腰が止まったと同時に吐き出された。炎司のペニスからドピュッと勢いよく吐き出された精液は、先走りでぐちゃぐちゃになった焦凍の腹に落ちる。炎司のペニスはビクビク震えていて、射精した後も少し残った精液をぽたぽた溢していた。
焦凍は父のアナルの中で射精した。炎司は大量の精液が吐き出されるのを感じて幸せな気持ちになった。
焦凍は射精した後も、すぐにペニスを引き抜いたりしなかった。炎司が寂しいというからである。射精した後も、父のアナルはきゅうきゅうと蠢き、息子のペニスを刺激する。僅かに残った精液も逃さないよう、焦凍のペニスを搾り取っていた。
長い時間収まっていた焦凍のペニスが引き抜かれると、炎司のアナルは開いたまま閉じなかった。せっかく出してもらった焦凍の精液が奥から流れてきて、炎司は必死にアナルを閉じる。それでも炎司のアナルはだらしなく半開きになったまま、アナルのふちをヒクつかせていた。
二人の呼吸が落ち着いてくると、炎司はまたキスをねだった。二人はセックス中の追い立てるキスではなく、味わうような穏やかなキスを交わした。
焦凍は父の首に腕回して己に引き寄せる。炎司は嬉しくて、焦凍の体を強く抱きしめた。炎司は吐き出された精液を尻から垂れ流しながら、自分より小さなその体に強く愛されたがった。



2020/11/21