アイについて3
三
悟空は採れたてのフルーツを沢山抱えてカメハウスに来ていた。野菜ばかりではなく、たまにはフルーツが欲しいという亀仙人のリクエストだった。カメハウスにはクリリンやヤムチャ、プーアルも集まっていて、食べやすい大きさにカットされたフルーツをみんなで分け合って食べていた。クリリンは悟空の持ってきたフルーツをいくつか鞄にしまった。とても美味しかったので、家族にも食べさせてあげたいのだという。
「ヤムチャさんは貰っていかないんすか?」
「それはイヤミか?」
そういってヤムチャはそっぽを向いた。フラれちゃったんですよ、とプーアルが申し訳なさそうな顔をしていった。
「えー? この前までデートしてたじゃないですか」
「うるせえなあ」
ヤムチャはモテるが、恋人関係が長続きしない。美人の彼女を自慢しては、早々に別れるのを繰り返していた。
「でもな、気になる子がいるんだよ。カフェの店員なんだけどさ……」
ヤムチャはそう話始めると、女の子との出会いから日常のやりとりまで、身振り手振りで語り始めた。悟空はクリリンとヤムチャのこんなやりとりを飽きるほど見てきた。
「その子のどこがいいんだ?」
悟空は恋の話にとんと興味がわかない。いつもなら会話に入ることすらないのだが、なぜか今日はそんな他愛のないことが気になった。クリリンとヤムチャは目を剥いていて、そんな悟空を珍しがった。何かあったのか? とまで聞かれてしまい、悟空はなんだか恥ずかしくなった。悟天が女の子の話をするから、と言って悟空は慌てて誤魔化した。マセガキだなあ、と二人は納得したように言った。
「こういうのはな、理由じゃないんだよ。もっと一緒にいたいとか、もっと会いたいとか、自然と湧き上がってくるんだ」
ヤムチャは高説を垂れた後、悟空には難しいかもしれねえなあ、と大人ぶっていった。悟空はヤムチャやクリリンの恋の話を聞きながら、ベジータのことを考えていた。
2019/08/25