方舟


3人でばじを共有する話。本文で詳細な描写があるのはふゆばじだけです。ちなみになんでスケベがこの順番になったのかはあみだくじで決めました。


*   *   *

三人目が抱く時の場地はいつもぐったりとしている。ほとんど意識がなく、尻の穴は開きっぱなしだ。穴のふちからとろとろと精液とローションが混じった液体が漏れていて、三番目になった時の千冬はいつもそこに蓋をすることに躊躇する。それでも、今日もまたやめようといえないのは、誰にも場地をとられたくないという子供じみた独占欲に他ならない。
千冬は開き切った場地のアナルにペニスを合わせ、ゆっくりと腰を押し当てる。緩み切ったそこは千冬の固いペニスをすんなりと受け入れ、ふちの端からペニスの質量分だけ液体が押し出された。ブチュゥッと下品な音に相応しい白濁の液体は、先にセックスを終えた二人の男が出したものだった。
今日の一番目は一虎だ。すでに終えた一虎は片膝を立て、退屈気味に千冬と場地を見つめている。
二番目はマイキーだ。さきほど終えたばかりで、まだ少し肩を揺らして息を整えている。一虎と同じく、面白くないという顔をしながらも交わる二人を眺めていた。
場地は仰向けになり、目は開いているが、どこを見ているのか分からない虚ろな目をしていた。疲れ切って力が入らず、カエルみたいに下品に足を開いたまま動かない。
千冬はゆっくりと腰を押し付け、ずぷりと根元まで場地の体に埋める。腰を振るとぱちゅぱちゅと淫らな音がした。
場地さん。千冬は腰を振りながら愛をこめてその名前を呼ぶ。しかし呼びかけても場地の反応は薄い。音に反応する人形のように、あー、あーと声を上げるだけで、呼びかけている相手が千冬だということすらわかっていないように思えた。
千冬が腰を振っていると、散々イって敏感になった場地はまたすぐに絶頂を迎える。
場地のペニスは勃起していない。射精しすぎて何も出なくなった。散々潮も噴かされ、場地の体からはほとんどの水分が奪われていた。
この頃の場地は、イク時にアナルがきゅうっと締まるだけだ。どれほど感じていても疲れ切っていると喘ぎ声も小さくなった。
か細い声を上げながら何度も絶頂する場地は、壱番隊で見せる頼もしい姿の影も形もない。体を痙攣させてイキ続ける隊長の姿は、千冬にとってこの上なく可哀そうで、同時にひどく性的衝動に駆られるものだった。
少し前立腺を突かれただけで場地は過剰に反応する。ぎゅうぎゅうと千冬のペニスを搾り取るように締めつけて、千冬はその気持ち良さを堪能するように思わず目を瞑った。
しかしいくら場地の中が気持ち良くても、この程度の律動では千冬もイくことができない。
場地さん、もう少しだけ頑張ってください。千冬は申し訳なさそうにいいながら激しく腰を振った。あ、あ、と場地がまた弱々しくもなまめかしい声を上げる。

「アッ、ばじさんッ、オレも、ッ、」

千冬が切羽詰まったようにいう。自然と背中が丸くなり、両手を床についた。場地の体を抑えつけながら、千冬は奥に向かって目一杯腰を打ちつける。
千冬はドチュドチュと腰を突き上げながら、場地に顔を近付け、キスをした。重ねた唇から舌を伸ばして場地の口に入りこみ、千冬は咥内まで場地を隙間なく犯した。
場地は何の反応もなかった。千冬に舌を絡み取られればそのまま受け入れる。口の中をぐちゃぐちゃにされるも無反応だ。
場地だって、元気があれば千冬のキスに答えていた。恋人みたいなキスをして、愛し合うみたいに体を抱きしめあった。
だが今日はもうそんな余裕はない。三番目にセックスをするということはそういうことだ。千冬はわかっていてもいつも虚しくなる。

千冬、マイキー、一虎が場地を共有するようになったのは二ヵ月ほど前からだ。三人はそれぞれ場地が好きなことを気付いていたが牽制し合っていた。
均衡が崩れたのは些細なことだった。喧嘩をするなと呆れたようにいう場地に、一番大事なのは誰だとマイキーが聞いたのがいけなかった。
場地は選べなかった。みんな仲良くすればいいと言った。それが事の始まりだった。
始めはキスをした。それもすぐに満足できなくなって体を触り合うようになった。
セックスをしたいと言ったのは一虎だった。千冬はそこで男同士でもできることを知った。
セックスの順番はじゃんけんで決まり、以降は順繰りに行っている。
場地の体は一ヵ月もしないうちに変わってしまった。弄られ過ぎた乳首は肥大化し、尻の穴は縦に割れて子供のものとは思えない姿になってしまった。
好きという気持ちは時に残酷である。そこにいた三人は誰にも渡したくないという自分勝手な願望をコントロールできるほどの年齢ではなかった。誰もが場地に自分を選んで欲しくて、愛は乱暴に動いていった。
順番でセックスをする時、誰も場地の体を労われなかった。それぞれが注げるだけの愛を注ぎ、それは器となった一人の人間がすべてを受け止められる量ではなかった。
半ば公然のレイプだった。容赦ない快楽に堕とされた場地は最後にいつも気を失っていた。
それでも目が覚めるといつも平気な顔をする。場地のそばで待っていた三人を見ながら、待たせて悪かったと軽い口調でいう。
体を拭いても残っているいやらしい液体の跡を見て、いつも誰ともなく場地にシャワーを勧める。足腰が立たず、痙攣する足でゆっくりと場地が立ち上がると、緩み切ったアナルから精液がぼたぼたと漏れだした。
場地は恥ずかしそうにして、尻から垂れ流しになる精液を拭う。しかし一度漏れ出すと止まらない。ブッ、プッ、と放屁にも似た音を立てながら、淫らな液体が太ももを伝う。
その場にいた三人は動けなかった。恥ずかしそうにする場地を見て助けてやりたいと思うのにただ見ていた。
やめよう、と言い出した者からこの船からいなくなる。ついていけないならそこで場地との関係も終わってしまう。場地が好きで大切にしたいはずなのに、傷つけ続けるチキンレースが暗黙の了解で行われていた。
三人は内心、これが泥船とはわかっていた。場地だけがいつか夢のような場所へたどり着けると思っていた。
いつ言い出すか、誰が言い出すのかを牽制し合う三人の姿は場地と関係を持つ前から何も変わっていない。結局明日もまた場地を巡って生産性のないセックスが繰り返されるのだった。

2021/12/30