アイについて 序章


   序章

 殺してやる、と言って飛びかかってきたベジータは鬼気迫る顔をしていた。悟空はベジータの真っすぐな感情を受け止めながら、自分を殺すと言ったベジータの言葉がまるで愛の告白のように聞こえていた。もちろんそんな筈はないのだが、悟空はその言葉が不思議と印象的だった。
 戦いの決着はつかなかった。ベジータとの戦い自体が有耶無耶になったまま、悟空は魔人ブウとの戦いに身を投じた。それは魔人ブウを倒した後も変わらなかった。
 悟空は肩透かしをくらったような気分になった。愛の言葉を告げられたと勘違いしてしまうほどの熱意は、こんな中途半端な状態で終わるものなのだろうか。悟空はもやもやとした気持ちを抱えたまま、いつの間にか時間が過ぎて行った。