孫悟空、凌辱


『カカロット、凌辱』のクリリン視点の話。これだけも読めます。

ベジカカのセックスを見てしまったクリリンです。ただ見てるだけなのでクリ空要素はほぼないんですけど……一応そういう気分で書いたので……
ベジータ襲来でベカが初めて戦ったところあたりの時間軸です。

親友が無理やり犯されてるところを見てしまうなんて最高に鬱でたまらねーな!という気持ちで書きました。


*   *   *


クリリンの手は震えていた。ひどい恐怖心が病のように体を侵していた。何もできない自分の無力さを恥じながら、しょうがないという諦めの気持ちも強かった。だが地球の命運を親友一人に託してしまう自分への情けなさに加え、任せておけと頼もしく言った悟空の姿が忘れられなかった。
クリリンは徐々に小さくなる悟空の気を感じ取ると、自然と体が動いていた。恐怖心は消えていなかった。どうせ敵いはしないだろう。
だが悟空がやられてしまう程の男であれば、いずれ自分も殺される運命だ。そうであれば、まだ悟空の息が絶える前に、自分の小さな力が役に立つことがあるかもしれない。クリリンはそう考え直し、二人の気がぶつかる場所へと急いで向かっていた。
がむしゃらに飛ばしたクリリンは、そう時間がかからずにその場所に到着した。既に悟空は地面に倒れ、虫の息だった。ベジータはまだ余裕を持った顔をして、倒れる悟空の前に腰を下ろしていた。悟空と戦った後なら、あのベジータでも少しくらいは弱っているんじゃないか。クリリンはそんな淡い期待を持っていたが、そううまくいきそうになかった。ベジータは地面に寝転ぶ悟空をじっと見つめていた。クリリンは今にも死にそうな悟空をベジータはまだ嬲るつもりなのだと思った。
やめろ! クリリンは叫び声を上げて飛び出そうとした。だが二人の様子は、殴り合うために身を近付けているわけではなかった。悟空は鈍い声を上げていた。それは痛みによる悲鳴だったが、殴られているわけではなかった。
ベジータは悟空の足を抱えていた。それは性行為をする為に、自分と相手の体を近付ける様な抱え方だった。
ベジータは悟空を犯していた。クリリンは信じられなかったが、それは紛れもない事実だった。
ベジータが乱暴に腰を動かすと、悟空はその動きに合わせて声を上げた。苦しそうな声を上げるが、悟空はベジータを振り払うこともできないほど弱っていた。その一方的なセックスは、ただ暴力を振るわれ、痛みを感じるよりも、人間としての尊厳も奪うような卑劣な行為だった。
ベジータは呻ぎ声を上げる悟空をニヤつきながら見ていた。ベジータは嫌がる悟空を見て心を痛めるどころか、楽しみさえ覚えるようだった。クリリンはその悲惨な光景に足がすくんでいた。助けたいと思う反面、男に犯されていることを知られるのはどれほどつらいことだろうか。クリリンは受け入れがたい光景に頭を混乱させながら、二人に気付かれないように物陰に身をひそめた。もう少し落ち着かなければ、クリリンは正しい判断ができそうにはなかった。
ベジータは腰の動きを速めたかと思うと、思い切り腰を突き上げ、そのまま悟空の体に押し付けた。そして少しの間を置いたあと、ゆっくりと身を引いていく。どうやら終わったらしい。クリリンはほっとして、ベジータがこのままいなくなることを願った。
だが引き抜かれたベジータのペニスは、そう時間も経たずに再び勃起した。地球人とは生殖能力も違うのだろうか。クリリンが驚いている間に、ベジータは再び悟空へ挿入する。悟空はすっかりぐったりとして、人形のように大人しくなっていた。ベジータはその姿をご機嫌で眺めながら、ゆっくりと腰をピストン運動させた。
しかし暫くすると、ぐったりとしていた悟空の体がビクビクと動きだした。そして再び声を上げたかと思えば、その声色はクリリンが今まで聞いたこともないしっとりとしたものだった。
先ほどまでは暴力的なほど一方的な性行為をしていたベジータだったが、いまは遠目でも分かるほど、ベジータが悟空の体を労わっているのだ。ゆっくりと、体に馴染ませるように腰を動かしながら、悟空の股間をゆるゆると刺激する。悟空は体に痛みが残ったままで、両腕はぐったりと投げ出されていたが、口から飛び出す声が明らかに変化していた。艶めかしく、切なげなその声に、落ち着き始めていたクリリンは焦燥に駆られた。
悟空は決してこの行為を良しとしていない筈だ。しかし、クリリンの元に届く悟空の声は、ベジータから受ける愛撫に確かに快楽を感じていた。ベジータが腰の動きを速めると、先ほどは鈍い声を上げていた筈の悟空が、いつもより甲高い声を上げ、まるでベジータに媚びる様に鳴いていた。何度も何度も腰を打ちつけられれば、その度に悟空の色めいた声が上がる。男女の区別もつかないような、色気には無縁だった親友が、すっかり教え込まれたように、与えられる快楽に敏感に反応する。
暫くすると、ベジータに直接刺激を与えられなくても、悟空の陰茎は立派にそそり立つようになっていた。目の前の悟空は幻覚なんだと、どこかで現実を受け入れられなかったクリリンだったが、悟空の昂った股間を見てしまえば、それは事実なんだと受け入れるしかなかった。
ベジータが姿勢を変えると、悟空はさらに媚びたように声を上げ、間もなく射精した。精液は勢いよく飛び散り、その量も並ではなかった。悟空は肩で息をして、射精の余韻に浸っていた。悟空の顔は高揚し、蕩けたように眉を下げる。
脱力する悟空を見ても、ベジータは遠慮なくセックスを続けた。追い打ちをかける様に腰を振れば、悟空は頭を振って抵抗する。それはただ嫌がっているというよりも、気持ち良さに耐えられず、反射的に体が動いてしまうようだった。悟空は頭を振って抵抗しながらも、その表情は淫らに微笑んでいた。
ベジータは射精したばかりの悟空の陰茎を雑に握ると、先端をぐりぐりと扱いた。過敏になっている場所を刺激されると、悟空の体は今までにないほど暴れ始める。ベジータはすかさず自身の体で押さえつけると、悟空の体に向かって乱暴に腰を突き上げた。体が浮いてしまうほど激しく突かれ、悟空は泣きながら悲鳴をあげた。艶っぽい悟空の声は、それが苦痛ではなく快感なのだと、クリリンは嫌でも理解した。
ベジータの激しいピストン運動ののち、悟空の体はビクビクと激しく痙攣した。表情は虚ろになっていて、全身は茹で上がったように赤くなっていた。
ベジータは虚ろになった悟空の顎を持ち上げると、自身の唇を押し付けた。顔を交差させ、二人の唇は深く重なった。隙間からは赤い粘膜が見えて、クリリンはベジータが悟空の口の中に舌をいれているんだと思った。ベジータはなかなか悟空の唇を放すことはなく、しゃぶりつくように唇を貪った。そして再び人形のように反応を示さなくなった悟空を犯し続けた。
狂ってる。クリリンはぞっとした。散々乱暴に犯した相手に、まるで恋人にするような情熱的な口づけをするベジータを見て、クリリンは血の気が引いていた。今まで感じたこともない程の嫌悪感を覚えたクリリンは、抑えていた気が思わず乱れてしまった。
ベジータはその一瞬の乱れでクリリンの存在に気が付いた。クリリンが自分のミスに気付いた時には遅く、隠れる隙もなくベジータと目が合ってしまった。
しかしベジータは一瞥しただけで、再び悟空に視線を戻すと、何事もなかったかのようにセックスを動かし続けた。クリリンなんて眼中にないというように、ベジータは自分の欲求を満たす為に悟空を犯し続ける。クリリンは呆然として、ほんの少しの声すらでなかった。
ベジータは自身のペニスが抜けきらんばかりに腰を引いたかと思えば、まるで体当たりするかのように悟空の体に突き立てる。一気に奥まで挿入された悟空は、強烈な快感に下品なほどよがった。ベジータは悟空の口を塞ぐように再びキスをすると、悟空の喘ぎ声はベジータの口に籠った。ベジータに口を塞がれながらも、んー、んー、と喧しいほど悟空は喘いで、クリリンはひどくいたたまれない気持ちになった。
クリリンはベジータに犯され、喘ぎ続ける悟空を見ていられなかった。その場から離れようと何度も思ったが、親友を見捨てることになると思うとクリリンの体は動かなくなった。目を閉じても、物陰に隠れても、クリリンには二人の体がぶつかる激しい水音が届いた。クリリンはどうすることもできないまま、ただ二人のセックスが終わるのをじっと待っていた。

2019/06/11