グレイゾーン1


惑星ベジータが破壊されず残っているところに不時着する悟空の話。
地球人の感覚でサイヤ人に出会った悟空と、サイヤ人達の暮らしと……。
※ベジカカなんだけど、ベジカカ要素がめちゃくちゃ薄いので注意。

Twitterで連載っぽいことしたいなと毎日ちまちま書いていたまとめです。
都度展開を考えていたので辻褄合わないところがあるかも。
文章のチェックしてるとログを上げられないので、基本的にTwitterのそのまま上げています。
不自然な漏れがあれば抜けの可能性ありなのでご連絡ください。

*   *   *


スカウターを起動すればその数値は大したことがなく、そいつが下級戦士であることは間違いなかった。しかしオレはその男の動きに見惚れていた。軽く手を合わせただけだったが、何かが違うと、その確信はオレの経験が訴えていた。
「きさま、何者だ……ただの下級戦士ではないな」
やつの外見はサイヤ人そのものだったが、着ている衣服はおかしなものだった。派手な山吹色のそれは体を緩く包む。体にピッタリと合う衣服を好むサイヤ人とは文化の違うものだった。
「下級戦士? なんだ、それ」
男は妙な鈍りで話す。これもまた、惑星ベジータでは聞かぬ発音だ。
「オラ孫悟空。修行であちこち行ってたら迷っちまってよ。腹も減っちまったし……わりぃけど、なんか食うもんねえか?」
男はソンゴクウと名乗った。サイヤ人らしからぬ名前である。異常なほどの戦闘能力の高さを感じるのも、こいつが異星人だからだろうか。
「なあ……」
「黙れ!」
馴れ馴れしく近付いてくる奴にオレはさらに構えを深くする。
「勝手に動くな。殺されたいのか」
「そんなに怒んなよ。悪かったって、おめえの星に勝手に来ちまってよ。変なことしねえって」
男はそう言って手のひらを見せ、動きを止めた。身の潔白をアピールするような仕草だった。
男は高い戦闘力と不思議な服を纏い、ソンゴクウと名乗ったが、オレの記憶が正しければこいつはカカロットという下級戦士だ。部下のラディッツの弟で、一度見たことがある。幼い頃にポットで飛ばしたきり、行方知らずと聞いている。随分大きくなったようだが、表情に面影が残っていた。その特徴的な髪型をした下級戦士は、そう何人もいない。
だが男はソンゴクウと名乗り、サイヤ人すら知らないようだった。一体どういうことなのか。
オレはそれが気がかりで、いつもであれば即殺してしまうところ、男を生かすことにした。怪しい動きがあればすぐ殺す。そう宣言したが、男は一切怯えた様子もなく、わかったと頷いていた。


2020/09/14