グレイゾーン13


ギネの家を出ると、悟空は人と出会うことのないように森の中に潜む。この星には生き物が少なく、立派な森の中にいても動物に出会うこともなかった。
柔らかい草が生えている場所を寝床とし、悟空はその夜を過ごす。ホイポイカプセルを持参しているので、柔らかなベッドも用意できるのだが、その日は外で空気に触れていたい気分だった。惑星の夜は星が綺麗だったが、地球で見るような月は見えなかった。昼夜問わず過ごしやすい気温と温かな空気に包まれたこの星は、野宿の上、布団がない悟空でも、問題なく寝てしまえるほど心地の良い気候だった。
悟空は寝転がって空を見つめていた。眠りに就くことができず、ぼうっとしながら様々な出来事を思い返していた。
一つずつ頭の中を整理していたが、気が付けば悟空の頭の中にはこの星の蛮行を止めることでいっぱいになっていた。しかしそれは途方もない道だ。悟空の頭では遠征出発時に無理やりで止める、といった発想が関の山だった。
ふと、悟空ははじめに会ったベジータのことを思い出す。ベジータはこの星の王子であり、ギネたちの反応を見るに、かなり恐れられた存在だった。
ベジータに頼めば、この問題が解決するかもしれない。悟空はそんな思いつきをする。
途端、覚醒したように悟空は身を起こした。こうなっては今すぐ行動を起こさずにはいられない。悟空が休んでいるうちに、一つの星がまた破壊されているかもしれないのだ。
悟空はベジータの気を探る。少ししか関わらなかったが、とても大きい気の持ち主であったベジータはすぐに見つかった。幸いにも、ベジータは王宮敷地内にはいるが、建物からは出ているようだ。これなら忍び込むことも容易い。悟空はすぐさま飛び立ち、ベジータの元へと急ぐのだった。


2020/12/06