情事後の少し気怠く重い体を引きずるようにヒノトの部屋近くにある浴室へ行った。下腹部に残る違和感にはいまだに慣れない。鏡を見るとヒノトがつけた赤い印が沢山散りばめられていて、ヒノトに抱かれたという事実がまた顔に熱を集める。体がどんどんヒノトを受け入れる、と言ったら恥ずかしいさがあるけどそういう感じになってきていている気がする。…自分が、女にされている。こんな一面が自分にもあったなんて知らなかった。

「…とにかく汗流そう」

汗でべたつく肌。湿った汗とは別の液体。意識するときりがないくらい恥ずかしいから思考をシャットダウンした。









コトカが浴室に行くのを薄目を開けて確認した。なんでそんなことをしたかなんて想像がつくでしょ。
まだ、足りないんだ。コトカを抱けば抱くほどもっと、もっとと本能が強く言い出して理性を小さくしていく。自分でも正直嘲笑してしまうくらいの性欲だ。こんなのコトカが初めてだ。それほどまでに俺はコトカが好きだし愛しているってことになるんだと思う。
今までは何とかコトカへの負担を考えて抑え込んでいたけれど、いよいよ抑えがきかなくなってしまったみたい。ごめんね、コトカ。後でちゃんと謝るから今夜は止まらない俺にもう少しだけ付き合って?









「え、ヒノト?」

下を向きながら髪を濡らしていたコトカの真後ろから抱きしめると顔を上げたコトカの驚いた顔が鏡越しに見れた。

「寝てたんじゃないの?」
「うん。けど起きたらコトカがいなくて寂しくなって」

嘘。寝てなんかいない。都合のいい言葉がすらすらと出てくる自分には呆れるけど仕方ないよね。だって、もう本能が止まらないんだもの。

「俺があとは洗ってあげる」
「え、」
「遠慮しないで」

鏡越しの俺はなんて顔をしてるんだろう。まるで獣だ。ああ、こんな顔も出来るんだ俺。コトカ限定だけど、なんか新鮮。
コトカの返事も待たず俺はコトカの顎に手を当て少し後ろに向かせるように角度を変えた。そしてそのまま後ろから深く、深くコトカを味わうように口づけた。さっきの名残もあってか口内はまだ熱を持っていて、コトカの反応も敏感なままだ。口づけただけで体の力が抜けていくのが分かった。

「髪は洗い終わったみたいだね。いい匂い」

濡れた髪に唇を落とし香りをかぐ。俺と同じ匂いのはずなのにコトカのはそこに甘さがプラスされるのはなんでだろうね。コトカが綿菓子みたいに甘いからかな。

「じゃあ次は体だね」

コトカを抱きしめながらコトカの前にある石鹸を手に取りお湯で湿らして、その石鹸をそのままコトカの肌に優しく押し当てた。

「ひゃっ…」
「ふふ、まださっきの熱が残ってる?」

コトカの耳が赤くてかわいい。石鹸を動かす度にぴくぴくと小さく動く体と漏れる甘い声を堪能しながらコトカの全身に石鹸を滑らした。
石鹸をもとあった場所に置くとコトカはやっと終わったのかと思ったのか、くたりと俺の胸に体を預けてきた。かわいいコトカ。でもこんなの始まりにすぎないよ?

「ひ、あっ…」
「石鹸つけたんだからしっかり洗わないとね?」

お湯で湿らした手のひらや指先でコトカの体に滑らした石鹸を小さく泡立てていく。ぬるぬるとした感触がコトカの反応をさらに敏感にさせる。コトカの体はすぐに石鹸が乾いてしまうんじゃないかってくらい熱くなって、その熱でコトカの肌が赤みを帯びていく。

「コトカの肌柔らかくて気持ちいい」
「ん、やだ、ヒノト…」
「こんなに感じてるのに?」
「うあっ、んんっ…」

両胸の先端をきゅっと摘まむとびくっと大きくコトカの体が跳ねた。

「体は正直なのにまだコトカの口は正直にならないね」

耳に口づけて、舌を這わす。その間も手の動きは止めずにコトカの感じるところを触り続ける。
意地悪だって思われたっていい。コトカのかわいい顔を、反応を見れるなら俺なんだってするよ。

「コトカ、俺ね、まだ足りないんだ」

片手を少しずつ下に滑らせながら耳を噛むとコトカは涙目で俺を鏡越しに不安と驚きが混じったような顔で見た。その顔に加虐心が煽られる。でも安心してコトカを傷つけるようなことはしないよ。気持ち良さだけ与えてあげる。それで、もっと俺みたいにコトカも俺のことを求めてほしいな。

コトカの体の隅々まで洗い終わったところで石鹸をお湯で流す。それすらももうコトカの体は反応してしまって、口元を手で押さえて声を漏らさないようにするコトカ。

「コトカ、だめだよ。かわいい声もっと聞かせて?」

コトカの両手を片手で絡みとり鏡に押しつける。そのせいで前屈みになったコトカの腰が少し浮く。

「コトカ、鏡で見える?さっき俺がつけた印」
「っ、はずかしい、よ、ヒノト」
「それにほら、綺麗にしたはずなのにまだここ熱く湿ってる。まだ石鹸が流しきれてないのかな?」

浮いた腰の下に自分の体を滑り込ませて、足の上にコトカを座らせる。
空いているもう片手で熱く湿っているそこをそっと指先でなぞるととろとろと、とろみのある液体が流れ出してくる。それはなぞるだけでコトカの太腿やお尻まで垂れていく。

「石鹸じゃないね。これ、コトカのだ」
「や、だぁ…っ」

ああ、コトカ見えてるんだね。コトカのそこに俺の指が当たっているの。恥ずかしいよね。うん。でも、かわいい。だから止めないよ。
つぷっ、と小さく音を立ててコトカの中に入っていく俺の指。熱くて、吸いついてくる。

「したばかりだからまだ柔らかくて熱い。指1本じゃ足りないかな?」

中指だけを出し入れしながら親指で硬くなっていたそこを刺激する。

「あっ、…あんんっ!」

浴室に響くコトカの甘い声。ぞくぞくする。俺に感じてくれるコトカ、最高にかわいい。

「ね、コトカ、足りない?」

溶けて、コトカ。
もっと俺を求めて、ねえコトカ。

指は単調な動きを繰り返しながら、コトカに囁く。浴室でさらに湿った自分の吐息と獣を孕んだ声でコトカの聴覚を侵食する。
コトカも理性を取り払って本能を剥き出しにして。本能と本能で求め合おうよ、もっと深く甘く。お互いの体が痺れるくらいの快楽に溺れよう?

「隙間からどんどんコトカの甘いのが流れてくる」

その為なら羞恥だって煽るし、早くコトカと1つになりたいって気持ちも抑えられるよ。だから、ねえコトカ、教えて。…ううん、足りないって言って。

「好きだよ、コトカ」
「ひぅ、…あ、ああっ!」

単調だった指の動きを変則にする。中を掻き回すように動かして、硬くなっているそれを強く、押し潰すように刺激した。
声も、液体も漏れ出してもう止まりそうにない、かな?あとはコトカの言葉だけだよ。

「コトカ、」
「っ、」

名前を何度も囁いて無防備な首筋や耳に唇を落として。
コトカが落ちるのをただただ待ち続ける。

「も、…」
「ん?」
「ひ、のとの、ちょ、だい…」

それは耳を澄ませてなければ聞こえないほどあまりに小さな声で紡がれた言葉。
けど密着していた俺にははっきり聞こえて。しかも、俺のをなんて…いつからそんなに煽り上手になったの、コトカ。

「うん、分かった。…コトカ、好きだよ」

コトカの両手を鏡に押しつけていた手を離し、コトカの中に入れていた指も抜いて、コトカの細くて折れてしまいそうな腰を両手で掴んで俺のが入るように腰を浮かせた。
コトカの溶けたそこに当てるとコトカは鏡に手を押し当ててこれから来る快楽に耐えようとしている。そんな仕草さえも愛おしい。けどコトカの中を傷つけないように、焦らすように、ゆっくりとコトカの腰を下ろしていく。もどかしいのかコトカの腰が少し揺れた。かわいい。でも、だめ。俺も待ったんだからコトカも今は待って。

「コトカ、ゆっくり味わって」

コトカがどれだけ蕩けた顔をしてるのか鏡で見て。ゆっくりと俺のがコトカの中に入っていくのを見て。かわいい胸の先端が誘うように立っているのを見て。俺たちの熱が1つになって、もっと熱くなるのを感じて。

「っ、ひの、とぉ…」
「ん、全部入ったね」

コトカの奥まで入り込んだ俺。圧迫感からコトカの呼吸は少し苦しそうになる。
首筋を甘噛みすればコトカはかわいい声をあげてくれる。

「コトカ、ゆっくりなのと激しいのどっちがいい?」
「いじ、わるしないで、も、むり…」
「じゃあ両方ね」

鏡に押し当てられていたコトカの手を取り、俺に寄り掛かるようにする。

「コトカ、落ちないようにしっかり俺に体預けてて」

最初はゆっくり、次は激しく。それを繰り返しながらコトカを快楽の沼に落とし込む。

「蕩けた顔もかわいい」
「ひぁ、っんん、あ!」
「その声もかわいい。俺に抱かれる度にどんどん甘くなってる」
「ひの、と、」
「コトカと繋がってるよ、俺」
「ああっ!ひっ、や…!ひのと、ひ、のと…!」

コトカの弱いところ、全部攻めてあげる。もっと気持ちよくなって、コトカ。

「コトカ、ちょっと体勢変えるよ」
「ひぁ、んん…」

俺の上から崩れ落ちそうなコトカに怪我をさせないように横向きに床に寝かせた。コトカの片足を持ち上げながら動きを再開するとコトカの全身が小さく痙攣し始める。

「コトカ、コトカ…」
「や、もっ…!」
「だめだよ、まだ足りない」

ぎゅっと手を握りしめるコトカ。我慢しないで。何度もいっていいから、ね?

「もっと俺を感じて?」

コトカがいく度にまたいかせてあげる。
今日は、コトカが意識を手放しても止まれそうにないから、俺のことは考えなくていいよ。










意識を手放したコトカを理性が戻るまで求めた。
その後、コトカの全身に唇を押し当てて印を増やした。

「…怒られちゃうかなあ」

それか恥ずかしさから無視されるか。
でもどっちにしろ明日は…もう今日か。今日はコトカ起き上がれそうにないから労わってあげないと。

「コトカ、愛してる」