何度目かの情交を結んでいる。
俺の腕の中でコトカは控え目に可愛い声を漏らしながら体全体が薄い梅色に染まっている。その中でも濃い梅色をした箇所もある。それは俺の独占欲の印。本当はもっともっと付けたいけどコトカが隠しきれないから、って押し退けてしまう。別に俺たちの関係を知らない奴らはいないし、コトカは俺のものだって見せびらかしたいからいいのに。
あ、でもそれを見てコトカに色目を使ってくる奴らがいたら何をするか分からないから今はこれでいいか。

「コトカ、辛くない?」

息を乱し、心拍数が上がっているコトカの胸に唇を這わせる。それだけでぴくぴくと反応する体を見て「ああ、どんどん俺に染まっていってる」となんとも言えない高揚感というか、嬉しさが込み上げてくる。

いつもと違う体位。座っている俺の上にコトカが乗っている。だからかいつもより少し息を止める時間が長い気がする。
着崩れしている着物はすっかりコトカのお尻のあたりまで下がっていて最早その役割を果たしていない。全部脱がせてしまってもいいけど薄暗い中で中途半端に着物が脱げて乱れるコトカは最高に可愛くてそそるから脱がしてあげない。

「お、く、っ…」

吐息とともに吐き出された声は普段のコトカからは想像出来ないほど甘くてぞくりとする。

「奥がどうしたの?」
「ん、…いつ、もより、ふか、くてっ…」

コトカが必死で言葉を紡いでいる間も動きは止めない。ゆっくりと甘い感覚を与えるように動いたり目の前にある胸や首筋に舌を這わせたりする。
甘い感覚を受け入れて項垂れた頭が俺の首筋に垂れ、上擦った声が至近距離で聞こえる。湿った吐息がくすぐったい。

「きもちいい?」

それは意地悪な質問。
けど、コトカの口から聞きたい言葉でもある。

躊躇うように息を飲んだのが分かった。言おうか言わまいか悩んでいる証拠。
けど、ごめんね。今日はどうしても言わせたいからもう少し意地悪するね。

「言ってくれなきゃ分からないよ、コトカ」

全ての動きを止めてコトカの耳元で囁くともうそれすらも感じてしまうのか肩がぴくりと動いた。
ああ、コトカ可愛い。可愛くて可愛くてどうしようもない。曝け出してない部分をもっと知りたい。

「ねぇ、教えて、コトカ」

項垂れていた頭を支え、視線を合わせると潤んだ瞳で「意地悪」と言わんばかりに睨まれた。でも、全然怖くないよ、コトカ。それすらも可愛いから意味がないんだ。

「コトカ、」

再三の催促にコトカは唇を一度固く結び、観念したのかゆっくりとその結びを解いていく。

「っ、…き、もち、い…から、はやく、」

その言葉を聞きたかっただけなのにまさかその後コトカから初めて口付けをしてくれるなんて思ってなかった。

コトカ、ねぇ、コトカ。
君はどこまで俺を落とせば気が済むの?

そこからの記憶は曖昧だ。
今まで結んできた情交より激しくて、長くて、記憶が飛んでしまいそうなくらい君を求めてしまった。







コトカの寝顔を見ながら髪を撫でていると小さく瞼が動いて、ゆっくりとコトカと視線が合った。

「体、怠くない?」
「…すこし」
「そっか…ごめんね、無理させて。でもコトカが可愛くて我慢出来なかったんだ」

まだ火照っている頬に手のひらを当てるとそこにコトカの手のひらが重ねられた。

「…わたしを、おんなにしたのは、あなただよ、ヒノト」

コトカは初めから女の子だ。分かっている。けど、その言葉の意味を汲み取れないほど俺は鈍くない。
もう一度抱きたいくらい気持ちが昂る。

「コトカ、あいしてる」

今日はこれ以上コトカに負担をかけたら危ないから啄むような口付けをコトカがもう一度眠りにつくまで何度も繰り返した。