そう、気づけば壁にキミを縫い付けるようにしてその小さな唇を塞いでいた。

キミの両手首を両手で塞いで、キミの足の間に片足を割り入れて、掬うように何度も唇を離してはまた塞いで。唇を唇で食んだり、舌を絡めとったり、歯茎をなぞってみたり。とにかく離れていた時間を取り戻すように、一秒も無駄にしないように、キミとの距離を縮めた。

「っはぁ、い、なみ、くるし、」

涙目で頬を上気させながらオレを見上げるコトカに欲を掻き立てられて、息を整える暇も与えずにまた唇を奪った。
さっきの口づけで力の抜けたコトカの両手を解放して、着物の肩山を自由になった両手で引っ張るように左右に下げコトカの肌を露わにする。日に焼けていないその肌はきめ細かくて白くて綺麗だと口づけする傍らでちらりと視線を落とした。
コトカは目を瞑り涙を目尻に溜めながら力のあまり入っていない両手でオレの着物の袖を弱々しく掴んでいた。ああ、かわいいなあ。なんで、こんなにかわいいんだろう。

口づけを続けながら露わにした肌に手を這わす。やわらかくて、なめらかで、たまらない。吸い寄せられるようにその肌を撫でたりつつっと首筋を指先でなぞったり。首の後ろから背中へ焦らすように手を這わせればコトカは小さく声を漏らす。そして背中から胸へと手を移動させやわらかなその膨らみを手のひらで包み込んだ。
もうすでに肌は汗ばんできていて、それが嬉しい。熱くて溶けそうなその肌を知るのはオレだけ。
立ち上がってきた胸の頂を人差し指と中指で挟み、強弱をつけながらその膨らみを揉む。オレの手が動く度に少しずつ硬くなっていくそこ。ぴんと立ち上がった瞬間にきゅっと爪の先で摘まめばコトカの体は面白いぐらいにびくびくと震えた。

唇を離してあげるとコトカはもう蕩けた顔をしていて、呼吸が浅く酸素を体内に沢山取り込もうとしている。口元から顎にかけてオレたちの混じりあった唾液がそこを濡らしていて、かすかな行灯の灯りでゆらりと時折光る。それが視覚的にきて息の整わないコトカの耳に舌を這わした。

「ひゃんっ…」
「コトカ、かわいい。ねえもっとかわいいとこ見せて?」

耳の奥に直接声を送り込むように囁いた。その後、耳の中に舌を入れて舐める。コトカの口からは甘い声がしきりに漏れてきて、吐息がオレにかかる。
耳をかわいがった後はそのまま首筋へと真っ直ぐに舌を下ろし、着物で隠れるギリギリのところをきつく吸い上げて紅い印を残す。そしてそれを確かめるように見て、またそこに舌を這わせて。コトカの隅から隅まで味わうように舌が動いていく。

「コトカって何でこんなに甘いんだろうね」
「しら、なっ…あ、んん…」
「ずっとこうしていられる。コトカ中毒かな、オレ」
「ひぅ、ああ…!」

くっきり肌に浮かんでいる鎖骨に歯を当て、立ち上がった胸の頂を吸い上げればコトカの甘さは増す。
口の中でそれを転がして遊んだり歯で少し強めに噛んだり、コトカの体を、コトカの意識を徐々に溶かしていく。もっともっとかわいく溶けて、それをオレに見せて。
胸をかわいがる時間が経つにつれてコトカの足の間に割り入れた片足が着物越しに湿ってきていることに気づく。少し自分の足を押し上げるとコトカの背中が反った。

「コトカ、もしかして軽くイっちゃった?」
「や、かお、みないで…っ」

真っ赤な顔して涙と唾液が垂れてる。恥ずかしさとそのいやらしさの相反するものがオレをもっと熱くさせる。

「何で?コトカ、すごくかわいいよ」
「んんっ、ふ、ぁ…」

口づけて、額と額をあわせて至近距離でコトカを見つめると潤んだ瞳から涙がぽろぽろと零れる。いじめてるわけじゃないんだ、コトカ。本当にかわいくて仕方ないだけなんだ。

「いやらしいコトカもオレ、大好きだよ」
「い、なみぃ…」
「コトカも分かる?オレの足が当たってるとこぐちゅぐちゅになってるの」
「っ、や、わから、なっ…ひっ!」
「嘘つかないで、コトカ」

膝をぐっと押し当てれば悲鳴に近い声が出る。その瞬間またじわりとオレの着物が湿り気を帯びる。

「ほら、こんなに濡れてる」
「ひ、あっ、いな、みっ…」
「分からないなら確かめてあげる」
「え?や、やだっ、やん…!」

床に膝をついて屈んでコトカの片足を持ち上げる。乱れた着物の裾から覗く下着はやっぱり濡れていて、もう意味をなしていない。
コトカは俺の頭や肩に手を伸ばして少し抵抗する。でも着物は乱れるけど、そんな力じゃびくともしないよオレ。
濡れた下着をずらして直接そこを見れば糸を引いていて、いやらしくオレを誘っているように見える。そこにそっと顔を近づけくちゅ、と音を立てながら舌を這わす。熱くてとろとろで甘いそれが溢れてくる。舐めても舐めてもなくならなくて、オレの顔はそれで濡れていく。

コトカの手はさらに力が入らなくなって、ただ添える程度になった。
上から聞こえる甘い甘い声に酔いながらとろとろの液が溢れる入り口の上にある刺激してほしいと言わんばかりに主張している芽に歯を立てた。

「ひ、ひぁああっ!」

コトカの一段と甘い声にそこを口に含みながら舌を這わせていたとこに指を入れる。簡単に飲み込まれてしまったオレの指はコトカにきつく締めつけられて、動きを塞がれそうになる。けど、オレは知ってるよ、コトカの弱いとこ。そこを刺激するともっとオレを受け入れられるようになるってことも、知ってる。
だからコトカの弱いそこを執拗に指先で引っ掻いて、解して、ナカも沢山かわいがる。解れていくそこに指を増やすと湿り気のある音が静かな部屋の中に大きく響き渡った。まるで洪水。指から手に、手から腕に滴っていくそれに着物の袖が濡れていくのが分かる。

「コトカのにおいで包まれてる感じだね」
「やぁ、そこで、しゃべらっ、ひんっ…」
「ほら、部屋中コトカのにおいでいっぱいだよ」

がくがくと震え始めるコトカの足。そろそろコトカは限界を迎えそう。

「コトカ、もう一度イっておく?」

コトカの足の間から一度顔を離し、コトカを見上げ聞くとコトカは小さく何度も頷いた。
それを合図にコトカの中に入った三本の指をコトカの弱いとこを中心にさっきより激しく動かす。弱いとこを強く擦り上げるとナカもびくびく動いて、コトカの体もそれに呼応するようにびくびくと震え、コトカの高い声が上がるとコトカのナカはオレの指を締めつけて。コトカはオレに少し項垂れるように体がかぶさった。
ひくつくそこから指を抜くとちゅくっと音を立てて、外の空気に触れて少しひやっとする。

「コトカ、これからが本番だよ?」

少し休ませてあげたいけど一週間も会えなかったんだ。ごめんね、今は休ませてあげられないや。

コトカの片足を持ち上げたまま立ち上がり、指を抜いたとこにオレのそれを擦りつける。それだけでコトカは甘い声を我慢せずに漏らして、すがるようにオレの首に両腕を回してきた。
ゆっくりとコトカのナカを押し広げるように入れていくと持ち上げていないコトカの足も身長差のせいで爪先立ちになる。不安定な体勢にコトカがもっとオレにくっつく。熱くなった肌が、汗ばんだ肌が、くっつきあって磁石と磁石がくっついたみたいに離れない。

「い、な…み、おっき…んぁっ」
「一週間、コトカのこと抱けなかったから」
「ふぅ、ああ…!」

コトカの胸の頂がオレの肌で擦れる。熱くて、溶かされそう。
ゆっくり動き始めれば下からコトカの蕩けた声が絶え間なく聞こえてくる。出し入れする度に聞こえてくる湿った音も動きを速めれば速めただけ響く。一週間分、コトカのことあいさせて。

「きゃっ、うっ、あ、ああっ!」

爪先立ちになっていた足も抱え上げてコトカの背中を壁に押しつけながら動く。コトカの自重が加わってもっと深くコトカのナカに入り込む。ああ、この感じたまらない。一つになるのがこんなに幸せだなんて知らなかった。

「い、なみ、も、」

止まらない、ううん、止められない。一週間分の想いをコトカにぶつけないと止まれない。

「ごめんね、まだコトカのかわいい顔見てたいし、つながってたい」

浅い呼吸。虚ろな瞳。彼女の体力の限界はとうに超えている。けど、コトカの声が、肌が、熱が、オレを誘って止まれない。
コトカがオレの腕の中で三度目の絶頂を迎えた。脱力したコトカの体を支えながらずるずると壁を滑り下りるように口づけながらコトカを床に寝かせた。

まだつながったままのそこはひくひくとオレを締めつけていて、離そうとしない。…まだ離れる気はないからいいんだけどね。
コトカの顔中に口づけて、緩くまた動き出す。甘くないて、オレを満たして、コトカ。

「まだ、夜は始まったばかりだよ」