ハナレさんに触れられる度、どんどん体が熱くなって自分の体じゃなくなっていくような気がした。





寝間着越しに、下着越しに触れられているだけなのに恥ずかしくて、熱くて、変な声が出て。そんなわたしを見てハナレさんは「かわいい」と言ってくれる。
ハナレさんの指はいつも熱くて、どうしてこんなに熱いんだろうって考えたくても、聞きたくてもハナレさんの指と言葉がそれをさせてくれない。

「はっ、あ、」

息が乱れる。吐き出す息は湿っていて、熱を含んでいる。
体は少し気怠くて、でもそれよりもなんだか気持ち良くて…ぼんやりする頭でそう思っていたらハナレさんの綺麗な指が、ゆっくりと私の寝間着の紐を解いていくのが見えた。

「は、なれさ…?」
「今日から直接、コトカに触れる」

そんな、恥ずかしい。いくら薄暗くても、誰かに、しかも大好きなハナレさんに肌を見せるなんて、無理。
いつかは、とは思っていたけど、心の準備はまだ整ってなくて。
するりと寝間着の隙間からハナレさんの手のひらが入ってきて、優しく、本当に皮膚の表面を撫でるように触れられた。たった、それだけなのに。ハナレさんの手は、指はもっと熱くて、体が震えた。ぴりぴりと小さく電流が走っているよな、感覚。わたしはハナレさんの寝間着の袖に弱くしがみつくしか出来なくて、わたしの素肌に触れるハナレさんの手を止められない。

「吸いついてくるな、コトカの肌は」
「っ、」
「声、我慢しなくていいから」

ハナレさんの手が動く度に寝間着がどんどん肌蹴ていって、触れられるだけじゃなくハナレさんにわたしの素肌が見られていく。恥ずかしくて目を閉じればハナレさんの動きや声に逆に敏感になってしまって、抑えようとしていた声があられもなく漏れてしまう。
いつの間にか下着以外を脱がされてしまって、わたしは少しでも肌を隠すためにハナレさんの布団の上で身を丸くした。

「ほんのり赤く染まっているコトカもかわいいな」
「や、みないでくださ、」
「それは無理な相談だ」

ハナレさんの声が耳に直接注ぎ込まれたかと思ったら、両手首を掴まれて上を向かされる。そして深く口づけられて、その隙にわたしの足の間にハナレさんの足が入り込んできた。もう、隠すことは出来ない。
羞恥とハナレさんの口づけの気持ち良さから熱が上がって、力が抜けていくのが分かる。

「もっとコトカを味わわせてくれ」

そう言うと熱くて湿っていて指よりも柔らかい感触が胸の膨らみに感じた。恐る恐る目を開けるとハナレさんの赤い舌が、わたしのそこを舐めていて、恥ずかしさでまたぎゅっと目を閉じた。
嘘、嘘。舐めるなんて、知らない。

「おい、しくないっ、から、だめっ」
「あまい」
「や、あっ…ひぅ、」

わたしの言葉を無視してハナレさんは指と同じようにわたしの肌に舌で触れていく。
口づけされた時のハナレさんの舌の感触と熱がぶわっとよみがえって、わたしの体はまた熱を上げる。口も閉じられなくなってきて、つうっと唾液が垂れる。恥ずかしくて、気持ち良くて、頭がまた少しずつ白んでいく。

「コトカ」

閉じた瞼から零れた涙を舐めとられてそこに優しくハナレさんの唇が触れた。
滲んだ目で薄っすらとハナレさんを見れば、ハナレさんの上半身はあらわになっていて、鍛えられた体にぎゅっと心臓が縮んだ。

「ここに乗れ」

ハナレさんがぽんぽんと叩いたのはあらわになったハナレさんの太腿で。

「む、むりです、」

心臓が持たない。きっと、爆発する。

一向に動こうとしないわたしを、ハナレさんは強硬手段で胡坐をかいた自分のそこにわたしを乗せて鎖骨の間に唇を落としながらぎゅっと抱きしめてくれた。
なに、これ。抱きしめられているだけなのに、気持ちいい。ハナレさんの熱が、鼓動が、肌を通して伝わってくる。

「あっ…」
「直接肌を触れさせるのは思っていた以上に気持ちいいな」

ハナレさんもわたしと一緒の気持ち。それがこそばゆくて嬉しい。

「コトカの下、濡れてる」

わたしの腰をハナレさんが腕で動かすと、ハナレさんの太腿に触れたそこが小さく水音を立てて、体が震える。

「やっ、そこ、だめっ」

きっとわざとだ。
下着の上から押し潰されて頭を真っ白にされたそこが太腿に擦れるように腰を動かされる。力が入らなくて抵抗出来ない。

「コトカ、どんどんあまくなっていくな」
「ひ、あっ…はな、れさっ…」

くっつけば胸の先が、離れれば下のそこが擦れて、どうしようもない感覚に意識を持っていかれる。

「今度はコトカの下も直接触れるからな」

ハナレさんのその言葉が小さく聞こえて私は意識を手放した。