ドアを開けて最初に目に映ったのは火だった。石畳の道のあちこちに小さな火がいくつも落ちている。遠くで悲鳴や泣き声がする。建物にも火がともり、木々も赤く燃えている。黒い煙が漂う。見慣れた町の色が、変わっている。
近くで、知っている声が聞き慣れた名前を呼んだ。悲鳴にも近い声。はっとしてその声のほうを見遣る。
石畳に膝をついて必死に名前を叫ぶ。その足もとには、赤い色――
泣き叫ぶようなその声が、燃える町の中に響き渡った。
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