「サ〜ラちゃん、機嫌直して?」
「やだ。ばかれいじ」
そう言って彼女は布団から出ようとしない。サラは拗ねているようで、依然としてずっと頬を膨らませている。だがそんな仕草、嶺二からすれば可愛くて仕方ないだけのことだ。
事の発端は昨夜。
そういう行為に及んだのはいいものの、あまりにも嶺二が悪趣味なのだ。絶頂まで辿り着きそうだというときにわざと動きを止めたり、触って欲しいところをギリギリ触らないように周りだけを責めるなど、焦らしてばかりでサラはいっぱいいっぱいだった。
『ねぇ、どうしてほしい?』
『言ってくれなきゃぼく分かんないなぁ〜?』
なんて上手い口で、直接彼女の口からその欲望を言わせようとする。サラもサラで意地っ張りかつ頑固なもので、焦らしプレイなるものに慣れていないし素直に求めればいいものを恥ずかしさを怒りで隠すなどしていた。だが、そんな怒った顔すら可愛くて見たいとさえ思うのだから、だいぶ溺れまくっている。
「もう、しばらくはえっち禁止」
そう言ってサラはそっぽを向く。えぇ〜?! なんて嶺二は言うけれど、大してそこまでダメージは受けていない。だって、有効的な対処法を知っているのだから。
「そんなこと言わないでよ〜、サラちゃんとえっちできないなんて、ぼく死んじゃう」
「あーそうですかー」
「んもう、つれないなぁ」
こっち向いて、と言わんばかりにサラの顔に手をやって向きを変えると、そのまま無理やりキスをする。しかもそのキスはただのキスじゃなくて、溶かされる程に甘く熱く深いものだ。
「サラちゃんも、ぼくとえっちできなくなるのは困るでしょ?」
「……っ、そんなこと、ないもん」
「そんな顔して言ったって、誤魔化せないよ?」
嶺二はやっぱり意地悪だ。それでいてやっぱり主導権をずっと握っている。サラが握っていると思ってもそれは結局彼の手のひらの上なのだ。
勝てないのは少しばかり癪だけど……まあ、そんな嶺二が好きなのも否定はできない。
「ねぇ、まだ時間あるし、あともう一回……ダメ?」
「……もうあんな意地悪しないならいいよ」
「分かった。その分沢山甘やかして愛してあげる。だから……また、ぼくに委ねて?」
そう言ってまたキスをする。そこからは本当にどろどろに甘やかされはしたものの、今度はイカされすぎてまた怒ったのはまた別の話。