「サ〜ラちゃん!」
そう言って後ろから抱きついてくる、恋人。バラエティ向けのコミカルで明るい人間性からして、彼女にベッタリ甘々なのはまあ想像出来るが、それでもやはりこの糖度の高さは尋常ではない。
「あぁ、嶺二。仕事お疲れ様」
「うん、ありがとう。ここ最近二人とも多忙だったから中々二人でゆっくり出来なくて、寂しかった」
「とか言って。嶺二は仕事も楽しむ人間だからな〜」
そんな嶺二の言葉を軽く受け止めるサラ。そんなサラのように、嶺二は少しムスッと拗ねた様子を見せる。
「ホントだよ? 仕事は確かに楽しいし好きだけど、それでもぼくはサラちゃんが足りなかったの!」
「ほんとに?」
「本当だって」
サラの髪の毛を手で掬って、慈しむように触る。その間に嶺二の口元がサラの耳元へとやって来て、鼓膜に直接甘い声が響く。
「ぼくがどれだけサラちゃんを求めてるか、たっぷり分からせてあげよっか?」
声色とトーンを落として、色気のあるその囁きはあまりにも官能的だった。しかし、それも嶺二の計算のうち。勿論、サラは耳まで赤くして照れることしかできなかった。
「ちょ、っと、嶺二……!」
反抗しようにも、耳に軽くチュッと口付けをされる。
そのまま、頬や首筋、肩や鎖骨まで降りてきてありとあらゆる場所をキスされる。その間、彼の腕はサラの腰に巻き付いて意地でも離さないとでも言わんばかりだ。
「ねぇ、サラちゃん。ぼく、明日家出るの遅いんだ。だから今日の夜は沢山サラちゃんを味わってもいい?」
「っ、ダメって言っても無理矢理そういう雰囲気に持ってくるくせに……!」
「あはっ、バレた? でも、なんだかんだサラちゃんだって嬉しいでしょ。こういう肝心な時に恥ずかしくなって素直になれなくなるサラちゃんも、最高に可愛いよ」
――ねぇ、可愛い顔、ぼくに見せて?
手で優しく、顔の向きを変えられる。嶺二の方に顔を向ければ、そのまま唇に優しく唇を重ねる。
触れるだけのキス。それでも、長く、深く心で繋がり合うような、溺れるようなキス。それだけで、心が満たされ暖かくなる。
「大好きだよ、サラちゃん。世界で一番愛してる」
「……私も、嶺二のこと、好き……だよ」
「ふふ、もっと言って?」
「やだ。そんなに聞きたいなら言わせてみて」
「じゃあ、お兄さん張り切っちゃおっかな〜?」
彼女の身体に、心に、深く愛を刻んでいく。
だが、そんなことをしなくても、サラは充分に嶺二の愛を受け止めて包み込んでいた。寧ろ、有り余る程に。それでも、嶺二は物足りないと感じるらしい。