平和に行きましょう。

さらさん


fate系サラさん
自己研鑽や努力が苦手で基本的には物や他人任せでランサーと普段の反りは合わないが、窮地に陥った崖っぷちで「あっこれもう自分動かないとまじ死ぬヤバイヤバイやらないと本当に死ぬ」という時に馬鹿力と自尊心を守る為に自分自身も駒として足掻く劣化版イアソン。具体的には俊敏性(逃げ足)と器用さ(罠作成や工作)となけなしの知識
人らしくある為のプライドはともかく魔術師の自覚は薄く、聖杯戦争参加の経緯も当主の捨て駒扱い、家からは半ば見放されている。家系の知名度が低い上に個人となれば素人から毛が生えた程度で、また「根源」に興味がなく魔術使いに近い有り様
人らしい真っ当な家庭でなかった環境下で、なまじ人並みの感性と常識を備えていたが故に後継者であるにも関わらず適応出来ず冷遇されてきた。高い魔力や魔術回路を持っていたが、あまりにも魔術師になるは不向きな人格を疎まれ、更に才能に溢れる近親者を養子に迎え入れられ、後継者から外されることになった。本人は社会の大多数が送る「普通の生活」に憧憬を抱いているが、後継者から外されたところで今更難しいことだと諦観している
人身御供同然に戦争に放り込まれたが、心中にあるのは「死にたくない」の一点のみ。事前に予防線を張る程の冴えや危機回避出来る嗅覚と運は備わっていないが、真っ只中もしくは死亡フラグ直前に緊急回避して逃げ回れる本能には恵まれている

筋力E 耐久C 敏捷A 魔力B 幸運E


ランサー
槍より拳の方が強いランサー。武術じゃないけど才能があるのに特に伸ばす気が無い怠惰なマスター相手に暖簾に腕押しのような説教をしながら突っ撥ねられている。好意や嫌悪云々よりも態度が気に入らない為決して良好な仲とは言い難いが、戦況が芳しくなかったり、何かしら策に嵌められ掛けてこのままだと死ぬと気付いた時のマスターは「信じられるのは自分だけ」とばかりに逆境から這い上がろうと駆けずり回るので、それなりに気に入っている所もある。ただ見た目が子ども(12歳)なので色々複雑
相性召喚で喚ばれた通り、根底にある相性は良い。またマスターとサーヴァントの繋がりから過去の一部を夢として知り、サラ本人の「サーヴァントと意思疎通怠る→いざと言う時に死ぬ」といった打算や強迫観念に駆られているのも薄々察している



その内それなりに信頼関係を築いてサラさんが「ランサー」から「先生」と呼び始めるが、そこに至るまで多分何度かトチって挽回している
絆がMAXだった場合、状況によっては聖杯戦争そっちのけで「決別と復讐を見届けてほしい」とランサーに頼み、それを了承されて家族を殺しにいく
義弟に令呪譲渡となった場合、謀って殺すかもしれない





「手遊びのようにただ殺すのは好かん」
 人が久々に心地よく転寝していたら、ランサーが馬乗りになりながら首に手を掛けていた。手首から先は自由だが、腕は踏み付けられて動かない。感覚が鈍くなって痺れていく感覚と、掛かる体重はかなり危うい。
「契約と令呪に縛られようが、それだけで平伏してやる程出来たつもりもない」
 起き上がろうとしても、腹部にのしかかられていては無理だ。蹴りもまともに入らないし、どちらかといえばただばたつかせているに等しい。
「おい、沙良」
 ここでようやくランサーの顔を見てやると、何故か妙に苛ついているようだった。
「んー…つまり、ランサーは謀反して私を殺すつもりか」
「お主らしくなく愚鈍な反応だな。いつものように、窮鼠らしく噛むなりしてみせい」
「いや、いいよ。ランサーになら殺されても良い。ただ一息……って、これはいうまでもなくだった、ごめん」
 足も下ろして、ゆるりと力を抜く。言うまでもなくこの男は一撃で全て事足りる。嬲る趣味もなく、意外と合理で殺すタイプだからこそ信用していた。
 令呪を使うつもりは無いし、はぐれサーヴァントになって自然消滅しても構わない域で殺したいのなら、それはもう止める気も失せるというものだ。
「殺されて良い?どういう意味だ」
「他の魔術師とそのサーヴァント相手だと、正直人として死ねるかかなり怪しいんだよね。下手に遊ばれて化け物に食い殺されたり、拷問されたり、実験体にされて腑分けにされるかもしれない。しないかもしれないけど、する可能性があるのが魔術師だ」
 不思議とそう怖くはない。
「だからランサー、あんたなら人として殺してくれる」
「…つまらん。慌てふためいて反抗してこそ、お主はより強くなるのだろうが。弱者を殺してやるような技はない」
 何故か傷付いたような顔になって、あの強固な拘束だった体勢が解かれる。そこに至った過程はともかく、ピンチで死ぬかもしれない状況を作ってわざと暴れさせたかったらしい。
「精々生き延びて慌てふためくといい。混乱こそがマスターに相応しかろう」





 男は嫌いだ。女もそこそこ嫌いだが、それよりも遥かに男が嫌いだ。人間の肉の温かみは許容しかねるし、肌を触れ合わせる行為は吐き気すら催す。
「先生、どうかした?」
 街にいくつか呪いをかけて違法占拠している隠れ家の内、今滞在している部屋は唯一馬鹿ならない金を掛けて設えた自宅と呼べる場所だ。個人的な好みで統一した中華風の家具は、造形美と実用性を兼ねた素晴らしい品々だと胸を張っている。先生もといランサーも、他の良く言えば機能性を追求した隠れ家や洋風の部屋よりも数10倍居心地の良いこの家を気に入っているようで、勝手知ったるとばかりに色々好きにしている様子だった。それは構わない。元々家具を揃えることが趣味だったし、丁度来たサーヴァントがその設えを気に入ったのなら、需要と供給が成り立つ素晴らしい偶然だろう。
 だが、マスターたる私まで自由にしろとは言っていない。首を締めるように脚が絡んで、これではプロレス一歩手前か人形のような扱い方だ。


 苛立たしげに白の碁石に爪を立てながら、悪手の熟慮をし始めたマスターの機嫌は見たまま悪い。李書文はあくまで親切心だったが、誘って数分後には碁を持ちかけたことを浅慮だったと若干反省する位には酷い様子だ。
 だが、一応子どもが好きな身として、あどけない子どもが人死に憂慮していかに被害が出ないよう計算して罠を仕掛ける為に思考と書類に埋もれる姿は不健康極まりない。だから、同じく倉庫に埋もれていた年代物の碁盤を掲げて、無理に引っぺがして連れてきたのだが…。
「なあ、マスターよ。お主、この家を自分のものだと言っておったが、どのようにして手に入れたのだ?」
「この家?…死んだじいちゃんが、家族に内緒でくれたんだよ。じいちゃんが中国人だったばあちゃんに合わせてこの家用意したけど、本当に住めたことはなかったからずっとほっといてたんだって。ばあちゃん先に死んだから」
 気をほぐす為に雑談を持ちかければ、思ったより筋の通った理由がかえってきた。
「じいちゃん、私がばあちゃんにそっくりだからこの家よく連れてきて、遊んでくれたんだ。ゴマ回しとか、蹴鞠とか」
「この碁盤があった倉庫にも、ゴマと蹴鞠があったな」
「へぇ、取ってあったんだ。後で漁ろっと」






サラさんの過去(魔術による凌辱)を網羅した上で現在の死ぬ以外に無気力になった理由を先生なりに理解した
例え勝ったとしても聖杯に願うことはなく、ただ普通に魔術の存在しない人生を平穏無事に過ごしたいサラさんにとって聖杯戦争は周囲に押し付けられた厄介事に過ぎない。拳一つで霊器をズタボロにするチート気味なランサーという大当たりを引いても、その価値は当然低い。精々が頼りになる隣人程度で、サーヴァントというよりはただの行きずりの仲間扱い。しかし、だからこそランサーに対して「食べ物の好き嫌いの有無」や「やりたいことやほしい物」を平然と聞いて、また用意してみせた。基本的に誰も信用しない故にサーヴァント(従者)ではなく、見たままただの人間として、一応歩み寄ろうという努力や研鑽を嫌うサラさんにしては非常に珍しい積極的な行動と思考
無論他の陣営の人間には絶対にしない。なぜなら彼ら彼女らは魔術師で、サラさんが嫌悪を隠さない憎悪の対象だから。つまりこの世でランサー限定のデレ。手料理を振る舞うのも、サラさんが頼るのも、李書文のみ。ただし飲み物は用意しない

もしもサラさんが勝ち残り聖杯に先生の受肉を願って叶えたとしても、別にこれ以上一緒にいるつもりはない。だがランサーが当たり前のように傍にいるつもりならそれとなくしつこく何度も説得したりする。その間今まで通りお世話したり生活するが、多分なし崩し的に現状維持が続く

先生がヤンデレ化するなら、「マスターが望む平穏な日々を送らせてやろう」という老婆心からくる親切による心理的監禁をやらかすかもしれない

ただもし平穏無事に最期を過ごすことがあるなら、その時は静かに碁を教わりながらゆっくり指して終わる
心臓が潰れて亡くなった少女が横たわるその側に、指し終わって勝敗のついた碁盤がぽつねんと置いてあるだろう
まるで誰かがそこに座っていたかのように、対面に置かれた座布団には凹みと僅かな温もりが感じられる































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