(※学パロ、名前変換なし)




"新発売!激甘紅茶"と書かれた紙パックの紅茶をズズっと少し飲んで思い切り大の字に寝っ転がった。うーん甘くてうまい!くせになる。そして今日は暖かくて絶好のサボリ日和だ。広い屋上で1人きり。あーなんて





「幸せなんだ…」

「おい。何が幸せだ」

「あらまー」

「このサボリ魔が」

「中村先生じゃあーりませんの」





いつの間にか立っていた見慣れた顔。独り言聞かれちゃったわ。ヘラリ笑って名前を呼べば心底呆れた顔で私を見た。今日が少し暖かいせいかYシャツの袖を捲り上げていつも着ている白衣もない。なんだか新鮮だね。




「先生探してたぞ」

「へぇーそりゃご苦労なことで」




私が可愛げのない返事をすれば「毎回お前は」と先生は大きなため息をついて私の隣に腰を下ろした。少し近くなった中村先生の顔を見れば困ったような面倒くさそうなそんな顔。




「中村先生お疲れじゃん」

「誰のせいだ」

「あはは、さーせん」

「まったくだ」





気怠そうにネクタイを緩めた先生は空を見上げた。私が居なくなればだいたい中村先生が来る。それが堪らなく嬉しくて好きなこと先生は知ってるのかな?そんな中村先生の横顔をジッと見れていれば「あーそうだ」と呟いて真面目な顔で私を見た。





「なんすか?」

「お前、煙草とか吸ってねーだろな」

「お。心配してくれるんすか?」

「一応だアホ」

「吸ってないですよ」

「そうか。なら良い」





あっさりと呆気ない先生がなんだかつまらなくて「私は専らコレだから」と手元にあった激甘紅茶を見せれば「ガキ」と一言。





「失礼だなー美味いよ?飲む先生?」

「いい、俺は紅茶花伝派だ」

「うわー面倒くさ」

「うるせぇよ」

「だからモテないんだよ」

「ほっとけお子ちゃま」

「なんなら私が彼女になってあげよっか」

「バカか、100年早ぇよ」





100年経ったら私達おじいちゃんとおばあちゃんだね先生。ボソボソ呟いた中村先生にあははっと笑って立ち上がるとふんわりと風が吹いた。気持ちよくてぐーっと伸びをすれば、中村先生は何も言わずに立ち上がり緩めたネクタイを整えた。





「次の授業なんだっけー」

「俺のだ」

「おーマジか!じゃあ出なきゃなー」

「バカ、全部出ろ」





そう言って私の頭に手を乗せグシャリと撫でた。あーぁ。せっかくセットした髪が崩れたのが分かった。だけどそんなのどうでも良さげに、先生は私の手から激甘紅茶を取り上げてズズっと一口飲んだ。




「うわ、甘ぇ…」

「そう?」

「これ飲み物なのか?」

「おーイエス」

「なんか逆に喉渇いた…」




口の中に残る甘さに険しい顔をしながら「マジ甘ぇ…」と中村先生は本日2度目のため息をついた。あはは、おもしろいや。




「こんなの飲んでる私、可愛いでしょ」

「本当お子ちゃまなだな」

「どう?彼女にしたくなった?」




そうニヤリ笑って中村先生に言えば、またまた呆れた顔をして。今度は少し恥ずかしそうに小さく小さく笑ってくれた。




「彼女になるならまず、紅茶花伝に変えるんだな」

「うわぁ面倒くさ」







本日、激甘日和
(甘すぎてくせになる)


(中村先生間接チューしたね)
(……ッ!)

20101206

1997