ある日見つけた『アルバイト募集!』と書いてある貼り紙。学生さんはお金がないとはまさに今の私のことでアルバイトを探していた私にはこれは運命の出会いだ!という謎の直感により電話したのはそう。少し古びた喫茶店だった。





「こんにちはーバイトの面接に来た#name2#と申しますー」

「あぁ、#name2#さんね!はいはーい」


カランコロンと心地の良いベルの音と共に少し重たい喫茶店のドアを開けた。まばらに座るお客さんは特に気にする様子もなくそれぞれの時間を過ごしている。ほうほう、何だか素敵な感じ。カウンター越しに声をかけてくれた男性に程ほど緊張しつつ手招きされるままに事務所へと案内されれば早速面接の開始である。



「僕はここのカフェの店長の楠木大典っていいます。たいてむ店長って呼んでね。えーっと#name2##name#さん、ようこそいらっしゃいました」

「あ、はい。よろしくお願いします」



よく通る声だなぁ、なんて思いながら店長の楠木さんは軽快に喋る。今日は暑いね、#name2#さんは何年生、好きな食べ物何、字が綺麗だね、俺はとんこつが好き。面接とは何ぞやと。履歴書を手にする楠木さんを見て思う。志望動機、結構真面目に書いたんだけどなーダメだったかなーなんて。



「ちなみに週なんで入れそう?」

「あ、週7で、あ…」



と、急な面接っぽい会話につい本音がポロリ。私履歴書にそんな風に書いてないたぶん。何て書いたっけ。勉学との両立をうんたらかんたら書いたような気もする。何だっけかと店長の楠木さんと視線を合わせればニコリと笑った顔とキラリと光る瞳。



「うん!じゃあ明日から頑張ろうね!」

「え、あ、はい?」

「合格!採用!決定!」

「え、本当ですか」

「うん、これ契約内容!」



わははっと豪快に笑いながら契約書を渡す楠木さんにつられて笑ってみる。別に何も悪くない契約内容ですが世間話だけで採用、こりゃ嬉しいですがでもこれ大丈夫?私騙されてる?



「なんかもっと面接しなくて大丈夫ですか?」

「大丈夫!俺の目に狂いはない!ちなみに挨拶はおったいね」

「え、あ、はぁ」

「#name2#さん出来そうな子だし」

「はぁ…」

「それにさ、うち、女の子いなかったから」

「ん?」

「いやー華やかになるね!おったいだね」



うんうんと爽やかに頷いている楠木さんは、制服用意しとくから!とグッと親指を立て満面の笑みで私を見る。うん、素敵な笑顔と良いお声。うん、でもなんかさ、なんか…





マジでか!!


1997