アルバイト2日目。更衣を済ませてフロアに上がれば、昨日という日をともにした、もはや戦友。いや、先輩の中村さんが暇そうにカウンター席に座っている。



「中村さんおはようございます」

「おはよう#name#ちゃん」



初日の丸1日を2人で過ごしたおかげですっかり親しくなった中村さん。昨日と違って目を合わせてくれるのはやはり共に戦い抜いた戦友である、とか何とか。昨日の分からないことあったーなどなど真面目な会話ををしていればおったい!と事務所の方から楠木店長がやってきた。



「#name#ちゃんおったい!もう馴れたー?」



にこにこと屈託のない笑顔で私の傍にやってきて店長は面接の日と変わらずご機嫌である。馴れるも何もまだ2日目ですが、と突っ込んでやろうかと思ったがなんか楽しそうだし悪気もなさそうだし止めた。私ったら大人だ。



「今日も#name#ちゃんはホールで」

「分かりました」



今日も、という言葉は引っかかるがとりあえず昨日を思い出してやればとメモを開けば、字が綺麗、という声が後ろから急に聞こえて私は肩をビクつかせて振り返る。



「あ、ごめんなさい」

「え、あ、すみません!」



急なことにバクバクする心臓と目の前の申し訳なさそうな顔。同じ制服を来たその人はきっと先輩で、落ち着かぬ心臓をよそに、おはよう杉田くんという明るい店長の声と何やってんだよお前、という中村さんの呆れた声が聞こえる。



「#name#ちゃん、こいつ杉田」

「どうも初めまして。杉田智和と言います」

「あ、新しく入りました#name2##name#です!」

「杉田くんはゆうきゃんの親友だよー」

「いや、友達で良いだろ!」

「あ、中村さん照れてる…」

「そうだぞ中村、夜な夜なバーチェで遊んだ仲じゃないか」

「夜な夜なバーチェ?」



バーチェって何だ、とか思いながら楽しそうな2人、とお父さん感のある店長を見る。仲良しな人と同じバイト先って良いなぁ。それよりここで仲良くなったのかな。杉田さんとは初めてお会いしたがどことなく楽しそうな中村さんを見てそんなことを思う。



「#name#ちゃん何その顔」

「仲良さそうなのでほころびました」

「何だその近所のおばちゃんみたいな台詞」

「あ、今の傷つきました。中村さんは私を怒らせました」

「#nam2#さんが承太郎だ」

「え?ジョータロー?」

「で、そのまま中村のザ・ワールドが無駄無駄して#nam2#さんのスタープラチナがオラオラして、中村が四散する的なね」

「え、四散?私強いですね」



突然のジョータローさんの来訪からの中村さんの四散。何の話か分からないけど横で笑う中村さんと楠木店長を見てきっと楽しい話をしていることだけは分かる。うん、たぶん。



「というか#name#ちゃんなんか家出少女に似てるよね」

「あぁ、黒髪ロングだしね」

「確かに性格のサバサバ具合も似てるかも」

「ガキだな」

「あ、中村さんまたアウトです、四散決定です」

「おい、四散はむごい」



何だかよく分からないが楽しそうな3人に私もつられて笑ってしまう。3部読め、3部と何かをオススメしてくる中村さんに仕方ないから愛想笑いをした私はやっぱり大人だと思う。










今日1日。
私は何かに強くなる。そう思ったバイト2日目。


1997