「あれ?珍しいですね」

「あーおはよう#name2#さん」





おはようございますと挨拶をしてフロアに上がればメニュー表片手に働いている安元さんが出迎えてくれた。いや本当に珍しいなぁ。勝手にこの店のコック長かと思ってた安元さんどこか楽しそうに接客している。







「今日は久しくフロアなんだ」

「なんか違和感ありますね」

「かもね」







あははっと笑いながら楽しく会話してるけどキッチンには誰がいるんだ?という疑問が私の頭をよぎる。まさかとは思うけど小野さん1人とかじゃーない、よね…?うん、それまずいと思う。また腰とか振ってたらさ、この店存続の危機だよね。大丈夫なのかな今日のうちの店、と有らぬ妄想を巡らしている私とは反対に黙々と仕事をこなす安元さんはオールマイティのこの店にまさにぴったりの人材であると思う……って違うそうじゃないと私は慌てて安元さんに駆け寄った。






「安元さんっ!今日は誰が、キッチンにいるんですかっ?」

「えっとー今日は、小野…」

「小野っ!」






うわぁ、うちの店、終わった…。






「坂さん」

「…………はい?」

「小野坂さんって人だよ」

「小野坂さん?」







リピートアフターミー、小野坂さん。初めて聞いた名前だ。この店には十何人かの従業員がいるとかなんとか言ってたからえーっと…。何だか仲間が増えてくアドベンチャーゲームみたいでちょっと盛り上がる。







「どんな方なんですか?」

「んー…通称ヤングさん」

「ヤングさん…?」







直訳すると若い人さん。ものすごいあだ名だな。安元さんは「他に言いようがないなぁ」とどことなく苦笑いをしていて更にどんな人物か気になる。






「仕込みが終わった頃に小野坂さんに挨拶しに行ってみます」

「大丈夫、そのうち来るよ」

「そう、ですかねー…」

「ほら、この店暇だし」

「あ、そうですね」








こっちから先に挨拶しないと失礼だよなと思いつつ、仕込みの時に話しかけるのってなんか悪い。しかもタイミングが難しいんだなコレが。うーむと悩んでいれば「あと10分したら行ってみる?」と安元さんが言ってくれた。なるほどそうですね!







よし!あと10分したら行こう!



20110213

1997