「神谷さんバレンタイン」 「え、マジで」 「マジマジ」 はい、と渡せば「おうサンキュー」と笑う。あらあら何だ今日はやけに素直だ。何か良いことあったんだろうか。あ、もしかして本命もらったりとか?それとも好きな子からもらったりとか?ぼけーっと考えていれば神谷さんが私を見た。 「本当サンキューな」 「おおう、やけに素直だね神谷さん」 「何だよ俺が素直じゃ悪りぃか」 「いや全然、むしろギャップ萌だよね」 「お前が言うな気持ち悪い」 そう言って小さく笑った神谷さんになぜか私が照れる。いつもと違うと調子狂うんですが…。ジロジロと神谷さんを見つめていれば「何だよ?」とけろりと聞いてくる。何だよってあなた。 「何か良いことでもあったんですか?」 「ハ、ハァ?何いきなりっ!」 「え、あったんですか?」 「別にないって!」 「またまた嘘はいいですよ」 「嘘って別に…」 「今日バレンタインですもんねぇ」 この様子だとどうやら好きな子にでもチョコレートをもらったのだろう。「良かったですねぇ」とニヤニヤ笑っていれば「あのな」と神谷さんがため息を吐いた。 「勘違いすんなよ」 「何をですか?」 「俺はなまえから貰えたのが嬉しいだけだよ」 「っ!」 Happy valentine なんとなく神谷さんを素直にしてみたかっただけ。たまにはデレだけでもありですね。 |