ネコ耳とウサ耳ならどっちがいいかな、と俺の部屋で漫画を読んでいた#name#がまるで独り言のようにボソリと呟いた。はたしてこの最も興奮するような話を俺は拾って良い物だろうか?






「ねぇ、智和はどう思う?」

「えっ?」

「ネコ耳とウサ耳どっちが好き?」






隣に座っていた#name#が俺を見て少し首を傾げた。あんなに振って欲しかった話のくせにこうも可愛く尋ねられると少し戸惑ってしまう。うん、そうだな、なんて少し余裕をぶっこいて#name#の顔を見れば興味深々に俺を見つめる。






「ネコ耳じゃないかな?」

「あ、やっぱり!」

「う、うん」

「私もネコ耳の方が可愛いと思うんだ」

「そっか」






うんうんと何度か頷いた#name#に俺も頷き返して少し目を逸らした。なぜネコ耳なのかは#name#に付けるならどっちがいいか、なんていう100%下心で回答してしまったなんて言えるわけがない。






「ネコ耳の方がツンデレっぽいよね」

「確かにな」

「いじめがいがありそうだしね」

「ん?」

「王道だけど鳴かせたいよね、ニャーって」

「う、うん」

「だからさ、智和。ネコ耳付けて?」

「はっ?」

「見てみたいな智和のネコ耳」






ニコリ。そう言って笑った#name#の顔が今日一番の輝やきを見せたのは俺の見間違いではないと思う。














ネコ耳ロマンス
(いや、付けるのは良いから付けて)





話が短すぎて泣けます。


20120222
(にゃんにゃんにゃんの日!)
1997