「あれ?」

「はい?」




おはようございますと後ろからポンと肩を触られて、振り返ればなまえが居た。何かいつもと違う気がして思わず声が出た。




「何ですか?」

「なまえってメガネだったっけ?」

「いいえコンタクトです」

「あぁ、やっぱり」





何か違うと思えばなまえがメガネをかけている。話を聞けば昨日コンタクトを無くしたらしい。うーん、なんか違和感。




「変ですか?」

「ううん」

「じゃぁなんでそんなに見るんですか」

「いや別に」

「もしやあれですか、ギャップ萌えを感じてるんですかっ?」

「ハァっ?」




ギャップ萌え、だと…!俺はその言葉をリピートした。メガネ越しに俺を見るなまえの目がいたずらっ子のように光った。確かにコンタクトからメガネなんて少しギャップ萌えだけども俺に限ってなまえに萌えるようなことはない、はすだ。




「ない!絶対ない!なまえに萌えるぐらいならメガネかけたうちのばぁさんに萌えるわ!」

「ちょっ!いくらんでも例えが雑です鳥海さん!」




ギャイギャイ騒ぐなまえを軽く流していればやっとスタジオに到着。朝から騒いだな俺。ふぅ、と一息つく間もなく何人かがなまえのメガネ姿に興味を持ったのか俺らのほうへ近づいてきた。




「なまえちゃん今日メガネ?」

「そうなんですよ、昨日コンタクト無くしちゃって」

「大変じゃん!でも似合ってるよ」

「そう言ってくれるのは先輩だけですよー」




とチラリと俺を見た。おいこら失礼だな。他の共演者からの言葉にそうやって返しているが明らかに俺と態度が違うだろあいつ…。なーにがギャップ萌えだ。「大変だけど頑張ってね」と去って行った共演者を見送るとなまえはもう一度俺を見た。




「どうですか?萌えましたか鳥海さん?」

「今のどこに萌える要素があった?」

「全部ですっ!萌えたでしょう!」

「いいえ全く!」




そう言い切った俺の言葉にちぇーっと呟いてなまえは下を向いた。なんだなんだもう。だいたい俺はギャップ萌えとか普段からそんなにしないの。下を向いたままのなまえを少し覗き込んで「おーいなまえさん」と呼べば。少し下がったメガネを押し上げてぶすったれ顔して。「何ですか?」と俺を見上げた




あ、ちょっと。なんか、それは、あれだ。




ギャップ萌え!
(メガネ越しの上目はまずい)



(何ですか、萌えたんですか?)
(ち、違うわっ!)
(なんか反応が変わった!)

20101109

1997