早いもんでもう2月。何だか寒い今日この頃。手帳をパラパラと捲れば2月6日にハートマークが書かれている。あーそうだ。この日は彼の誕生日だ。私はソファーでゲームしている例の彼、裕行を見た。






「ねぇ裕行、誕生日プレゼント何欲しい?」

「…3DS」

「子どもかっ!」






私がそう突っ込めば一瞬ゲームの手を止めてうーんと唸った。頼むからまともな物にして下さい。いや3DSもまともだけどね!確かに気になるけどね!







「んー…じゃぁ…愛?」

「はいっ?」








あ、愛だと…!
私は思わず呆気に取られた。愛ってあなた、ラブってあなた…。てかなんだその言い方。なんかおかしいよね。だってそれじゃあまるで…、






「日頃、私が愛を上げてないみたいじゃん!」

「えーほら、最近ご無沙汰じゃん」

「おいっ!」

「愛の形ってやっぱさ、え」

「言わんでいい!」







アホだこいつ!ゲームのせいで中二化が進んでいる。もう英語漬けでもやってろ!私は話を変えるように1つ咳払いをして気持ちを落ち着かせる。冷静になるのよなまえ!






「つまり愛を形にするんだね」

「ん?うーん…えー…」

「じゃぁ愛を込めて料理作るよ!」

「えーいつも作ってくれんじゃん」

「しかもオムライスにしてケチャップで萌って書いちゃう!」

「いやそこ普通ラブだろ」







そう突っ込んで「もう大人しくしろよ」ととんでもねーことを言う裕行に負けてはならん!と思い付く限りの案を出す。だってそんな、ねぇ!







「じゃぁケーキを焼こう!」

「ケーキ?」

「それで年の数だけロウソクを乗せますよ!」

「はぁ?」

「じゃぁ苺も乗せちゃうっ!」

「…嫌がらせかお前?」






顔をしかめた裕行に「愛だよ!」と言ってみたが確かに考えてみたら嫌がらせみたいだなと思う。それならあれだ!愛を込めて裕行を労れば良いんだ!






「じゃぁ肩揉んであげる!」

「肩もみぃー…」

「それなら全身マッサージ!」

「てか触るんなら触らせろよ」

「、っ!アホっ!」






相変わらずの裕行に思い切りため息を吐いた。私は本気で悩んでるのに…。少し口を尖らせて裕行を見れば「でもよー」と今までピコピコやっていたゲームの電源を切って私を見つめ返した。






「はっきり言って俺はなまえと過ごせれば何でもいいし」

「えっ…?」

「俺のために悩んでくれたプレゼントも嬉しいけど俺のために一緒に過ごしてくれる時間のほうが嬉しいから」









ブワッと顔が熱くなった。さらりと言われた言葉の意味がどんどん私の体を溶かしていく。熱くなった体と頬がやけに恥ずかしい。







「一緒に過ごせるんだろ?」

「う、うん。当然」

「そう、そんなら良いや」

「うん…」








ポンポンと頭を叩かれ結局私が丸めこまれてしまった感じ。あーもう本当に好きだ。








「それで更にプレゼントがなまえだったらなお良しだな」








へへへっと悪戯っぽく笑う顔がどうにも我慢出来なくて「バカ」と呟き抱きついた。誕生日じゃなくたってなんだってあなたに愛を上げていたいよ。愛の形なんてどれが正解か分からないけど私が裕行を愛する気持ちは本当だから。ドサッとソファーの柔らかく軋む音が聞こえた。反転した景色の中で私の視界に見えるのは裕行の顔だけだ。








「私は高いんだからね」


「かもな」









そんな最後の照れ隠しに満足気に笑った裕行を見て私はゆっくり目を閉じた。






君にプレゼントを
(もちろんプレゼントはお前な)

20110228
(Happy birthday!吉野さん!)

1997