七夕だからって別にこれといって盛り上がりもないし、浮かれてしまうことも残念ながらもうない。小学生の時のわいわいと盛り上がっていたあの日が懐かしい。そうだよ懐かしい。







「今日七夕だよよっちん」

「あ?あぁそうだな」

「リアクション薄い純粋さない可愛くない」

「うるせぇよ男に可愛さ求めんな」

「いいじゃん別に照れんな」







スタジオからスタジオへの移動中、偶然会ったよっちんと今こうして歩いているわけだが、なんかもう可愛くない。七夕なんだからもう少しはロマンチックにいきたいもんだ。







「今日雨降ったらやだね」

「あー俺傘ねーしな」

「いや、知らないしそうじゃなくて」

「何言ってんだ大問題だろ」

「まぁそうだけど」

「他に何かあるか?」

「だから雨降ったらたら会えないかもねって」

「会えないって誰が?」

「誰ってそりゃ織姫と彦星」

「あー…」

「………」







と言った所でふと我に返った。な、何言ってんだ私、バカなのか私っ。だが後悔した時にはもう遅い。私を見ていたよっちんが目をパチクリさせた。うおーおわたっ!恥ずかしさから思わず顔を伏せる。いや、だって絶対顔赤い、絶対よっちん笑ってるぅぅ!てかこっち見るなやよっちんコノヤロー!しかしそんなテンパる私とは反対によっちんはのんびりと口を開いた。







「そんなもん会えるだろ」

「へっ?」

「走ってでも泳いででも会いに行きゃいいだろ」

「えっ…」

「何んだよ違うのか?だったら傘さしてくとかか?」

「傘…」







よっちんの恥ずかしげのない声に伏せていた顔を思わず上げてしまった。だってそうだろう。








「まぁ、空の上に住んでんだしよー」







あんな顔もこんな声もどんな仕草も。







「雨とか大したことねーだろ」









今まで見たどのよっちんより格好良く見えてしまったから。






きっと彦星も
(君にとっては目じゃないね)


(なんかそれわざと?)
(ハァ?何がだよ)

20110707
1997