「お前等いい加減にしろ!早く謝れ!」


時間はちょうど15時45分。帰りのホームルームで怒鳴り声をあげた先生にみんな罰が悪そうな顔をする。
原因は何だったかな。クラスの女の子が泣き始めたからだったかな。
静かに涙を流す女の子に、可愛いな、なんてしょうもない感情を抱いて揺れたカーテンに越しに外を見る。窓から見える校庭には授業を終えた生徒達がちらほらと部活の準備をしている。

野球部、サッカー部、陸上部。みんなそれぞれの部活着を着て、5月の暖かな太陽に照らされて何だか綺麗だ、と。ぼんやりぼんやりそんな様子を見ていると1人だけ見覚えのある部活着に少しだけ反応する。
遠くから見えた10番の背番号は唯一他クラスで知ってる男の子でサッカー部の金山くんだ。いつ知り合いになったんだか忘れたが、私のバイト先のスーパーに一回り下の弟を連れて彼はいつもやってくる。




「あのー#name2##name#さんだよね?」

「え…?」

「あ、えと、同じ学校でさ、2年D組の金山です」

「金山くん」

「ごめんね、急に声かけて」

「いや、全然」

「ずっとそうかなって思ってて」

「あ、そうなんだね」

「うん」





特に何もない。こんな他愛のない会話から始まって最近じゃ弟くんとも挨拶する仲にまでなった。そんな彼はそうか、10番なんだとそんなこともろくに知らないそんな仲。


「お前らこのままじゃ帰れないぞ」


その声にふっと我に返って黒板上の時計を見た。ちょうど16時05分。今日のバイトはどれも休み。帰れなくてもまぁ良いか。そんな事を思いながらもう一度校庭に目を向けて、てきぱきと準備をする金山くんを見た。


「部活、か…」


まだ眩しい午後の太陽を見ながらボソリと呟いた。何だかとても、羨ましいな。






一歩踏み出そう。
いざ職員室へ






To be continued.

1997