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小説|刀剣乱舞

96の縁者




 鶴丸クニナカは母で在る。元は“国永”と書くが、その名を子の一人に譲った。その名前を人々は“鶴丸国永”と親しんで呼んでいる。藤森の国永は今やもっとも有名であろう。
 その、子の一人を想いながらクニナカは皇居に居た。
「やぁやぁ…クニナカ♡」
「ああ、三日月か」
「浮かない顔をしてどうしたのだ?」
「……俺の天空に、尊が生まれたやもしれん」
「尊、ですか……ややではなかったのか――」
「数を数えたが……9体だ」
「はぁ〜〜〜‥寝られるのですか?」
「好みではない、どの息子も」
「中身が、か? 俺が一番お前好みの性格をしているからな♡」
「ふふ……そうだな♡」
「殺すか? 尊等」
 クニナカは微笑んだ。
「俺が好くか好かないかの話では無いな」
「……鶴丸」
「わぁ――母上♡(無限大)」
 鶴丸クニナカの膝の上にわらわらと9体もの丸い御魂が現れた。
 クニナカは彼等のあまりの変容振りの愛らしさに思わず破顔していた。
「ふふ……難儀はないかぃ?」
「この姿……見苦しくはないですか???」
「ん? 可愛いぜ? 苦しいのかぃ?」
「いいえ! この小さき姿……心の故居だと、会話がし易いですね♡」
 クニナカは優しく彼等を抱き締めた。
「母ヽ(゜∀。)ノウェ♡♡♡♡♡♡♡♡♡(無限大)」
「ほらほら、ぬし共、クニナカから離れるぬか〜!!!!! 俺が入る隙が無くなるではないかっ」
 三日月宗近は彼等を散らすように追い払う。
「かか様ー!」
 更に小さき御魂がわらわらと6体現れた。
「これは……この娘御等は! この6体が……これがあの世の“沙汰”の……本来の姿か……」
 三日月はその6体の御魂を散らした。その様子を傍らで眺めていたクニナカは納得したように目を細めた。
「ふふ。あんたとの娘は十一人も居るのか♡」
「そうです、鶴丸さん!!!!! ようやく入れた」
 鯰尾藤四郎と骨喰藤四郎と乱藤四郎が皇居に侵入を果たした。
「そうなんだよ、鶴丸ちゃん♡♡♡(無限大) やっと弟君たちと妹ちゃん達、見付けた!」
「知ってたのかぃ?」
「うん。俺たち、御魂で繋がってるから☆」
「ふふ! 頼もしいぜ☆」
「兄弟捜しはこれで落着です。後は僕達に任せて、兄弟!!!」
「ほらほら、尊等とやや達は“お姉さん”達と帰りなさい、現世に!!!!! くれぐれも俺と鶴丸のまぐわいを邪魔してはならぬぞ……」
 その言葉を聞いたクニナカ、鶴丸は面食らった。改めて意識した、三日月宗近の事を。
(ふ、二人……き、り?!)
 その様子を直ぐさま察知した三日月は鶴丸の手を握った。そしてもじもじとし始める。
「邪魔者も行った……御上のお許しも出た。……な?」
「こ、此処でか?!?!?!」
「此処が最も、二人っきりだ、鶴や〜〜〜♡♡♡♡♡(無限大)」
 鶴丸はその三日月の意図が分からずに、久し振りに三日月の腕(かいな)に落ちた。

[ 完 ]

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