ざっくばらん、あるいは支離滅裂。
▽2020/02/18(Tue)はー。傷を抉るのは、大好きだ。
破滅願望と嗜虐性はリンクしてしまう。
さて、気が済むまで考えてみればいい。
まずは今日一日を振り返ってみよう。
2月18日、火曜日。晴れのち曇り。
何の変哲もない、休日だった。
昨晩は、彼がうちに来てからクリームパスタを食べ、ワインを飲み、早いうちにいつの間にやら寝てしまったんだっけ?
しばらく眠りを貪り、深夜の1時か2時頃に二人で起き出して、入浴を済ませたのち飲み直したのだった。
わたしが個人的に好んでいるDVD映画を流しながら、ウイスキーのオンザロックを二人で舐めて、すっかり現実を忘れて彼のひざの上で陶酔していた。
夜明けの寸前には、僅かに開いたカーテンの隙間から入る薄明るさを頼りに、お互いたまらず肌を重ね、存分に愛し合った。
そのときわたしは、愛し愛されるだけの幸せに、疑いなど露ほども抱いてはいなかった。
恋だ愛だの無根拠な情について、いかに脆弱であることか、思い出しもせず。
早朝眠りに入って、目覚めたのはちょうど昼飯時だった。彼はわたしより一足先に目覚めていて、何やら美味いが辛いと評判のカレーを用意してくれた。
二人で辛い辛いと騒ぎながら、せっせと食べる。
彼は汗だくで、その辛さに驚きながら、舌を痛めながら、それでも愉快そうに食べていた。
起き抜けのランチを終えてから、出かけようかどうしようかと話して、なんやかや過ごしているうちにわたしはつい、睡魔にそそのかされ惰眠を堪能していた。
これをしたためている今、すでにもう、関心がなくなってしまっている。どうしてすれ違ってしまうのか、相互理解が行き届かないのか。
熱量は、幸せなときに注がれた、本当はもう、じゅーぶんだ。
恋人は、バツイチで子持ち。
その事実は知っている。理解は出来ていない、受け入れてもない。わたしにはきっとその器がまだない。
というのは、当然でしょう?わたしは既婚でも、子持ちでもないのだから。
例え理解してる、と言ったところでヒャクパーセント、ピュアな嘘になるに決まってる。
偶然と偶然が接触して、嵐のように始まった交際だから、ふと雨が止むように、終わるかもしれない不安には日常的に駆られている。
でも選び取ったのはわたし。彼との幸せを望んだのは、わたし自身で。
短絡的に考えて、わたしがわたし自身を彼とのことで責めるのであれば、彼が作り上げてきた環境について、事実を知っていたでしょう?ということ。
過去に、わたしの知らない女と恋に落ちて、わたしに触れるように優しく触れて、取りこぼしそうなほど、彼女に愛の言葉をささやいた。そして、愛すべきだと信じてその通りに、正しく愛したのだろう。好きなだけセックスをして、その昂りに、満足のいくまで震えたんだと思う。今より若かった分、深く、深く。
その当然の先で、デキた子供がいる。
噛み合わなくなる理由のひとつとして、わたしにとっては、その知らない女とデキた子供のいる彼が、現在。いまの理解。
時差式に沸き上がる嫉妬心。
困らせることはハナからわかってた。
わたしに不倫経験があるからと言って、価値観の範疇がまとまるわけじゃないし、簡単にお利口さんになれるわけでもない。
だって、まるで、突き付けられているよう。
大事にするだなんて漠然とした甘やかしの言葉を、愛は並列されるって、不都合をまるまるスルーして、無条件に飲み込まなければいけないみたい。ほんとうはわたしだけのものにしたいだなんて、そんなこと、口が裂けても言えないじゃない。無謀なんだもの。
わかってる、でも、わかってないし、拒んでいる。
このままじゃ、きっとどこにもいけない。忘れてる日々がいくら増えようと、思い出すその瞬間、その日その刹那、わたしの言動によって彼の幸せを吹き飛ばしてしまうから。思い悩む日だってあることを、わかってほしい、わたしだって努力しようと考えていることも。
彼はわるくない。
でも、わたしだって、わるくないでしょう?
二人で幸せでなきゃ、意味がない。わたしと一緒にいるから幸せだと、心から思っていてほしい。
あなたがいるからわたしでいられる、と全身全霊でわかっていたい。
わたしが一番望んでるのは、わたし自身の幸せ。
わたしを幸せにしてくれる人を、わたしは幸せにしたい。
正直な気持ち、ただそれだけのことが、実はすごく傲慢なのかもしれない。
もっと建設的な考えができる脳味噌の持ち主であるなら、そもそも不倫もしないし、抜け出そうと差し伸べられた手に縋り付いて持ち上げられた先ですら、今みたいな状況にもきっとなっていないから。
それでも、前向きに生きようと考え直すなら。
他人を幸せにしよう、と言うにはわたしの心はきっと弱過ぎる。
他人はおろか、自分さえ信じられないのに。
本当は、逃げ出そうとしてしまった。
踏み止まれたのは、うまく寝付けなかった彼がわたしのパーカーの袖をつかんだから。
不安そうに開閉する瞼と、懸命にわたしを刺激しないよう、適切な言葉を選び取ろうとする彼に、向き合おうとしてくれる気持ちを汲み取った。
その瞬間、すっかり気が抜けてしまって。
恋人同士だからと言って、会うたびに交わす言葉で笑顔になれるような、互いの微笑みに癒されて、思いやりに溢れているような。口論の一つもなく、その仕草ひとつを見て理解し合えるのなら。
綺麗事で描いた輪郭に、中身を押し込むとして。容赦なく襲う津波は、築いたテトラポッドを溺れさせたあと。
ことごとく潰えてしまう、儚いもの。
軋んだベッドの上で吐き出される飛沫は、なんの証にもならない。幾度となく欲しがった言葉を鼓膜に打ち付けられても享楽だけを引き渡すわけにはいかない。傷付いている、夢を見ているのだ。
底無し沼に踏み入れた脚は、たちまち飲み込まれてしまう。