雪の降る街角
ずーっと昔。
そう、文字通りずーっと昔。
あたしはさ迷っていた。冷たいガラスの砂が時を刻む都会の中で。
粉雪の舞う円舞曲。激しさを増す北風のヴァイオリン。
一人の部屋と居心地の悪い職場を往復し、ただただ寿命を浪費し、気がついたら誕生日が特別な日じゃなくなっていた。
夢や希望は子供の頃に置き忘れて、生き残ることにだけ一所懸命で。
それから。
ネットで募集していた宇宙移民1代目。
なんでも銀河系の中央を越え、人の住める惑星を目指すらしい。
とてつもなく遠い場所。
1代目というのは、遥か遠くの惑星まで宇宙移民に行くため、宇宙船の中で出産、子育てをするので、地球から乗り込む人が1代目。宇宙船で生まれるのが2代目。3代目は移民先で生まれると思うけど、わからない。
「棄民計画」
2チャンネルではこの壮大な計画をそう呼んでいた。増えすぎた人口を調整するための計画だということはみんな知っていた。
それでもあたしは宇宙移民に応募していた。多分あたしと似たような境遇の人と、宇宙船に必要な技術を持ったバカなロマンチストと一緒に。
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