獣に自殺の概念はない
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人になりたかった。どうせだったら人になりたかった。そう思いながら、今日もナマエの背中に寄り添って丸くなる。振り返らないまま宥めるように手を伸ばして撫でてくれる指は、木の枝のように痩せ細っている。僕の毛並みはぴかぴかのふわふわなのに、ナマエの肌はかさかさのしわしわだ。
おかしいなあ。僕がロコンだった頃、ナマエは短パン小僧だったのに。
キュウコンは千年生きるんだって。
人間は、百年前にはだいたい死んじゃうんだって。
ナマエがいなくなっても、だいたい九百年くらい僕は置いてけぼりなんだって。
ゴホン、ナマエが自分の呼吸に咽るという器用なことをやらかした。ああ、僕も人間に生まれたかったなあ。そしたら一緒に、生きて死ねたのになあ。
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