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▽2022/05/13(20:45)

「先生、浮気ってよくないと思うんです」から始まる相澤先生(イレイザーヘッド)の話がみたい。より


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「先生、浮気ってよくないと思うんです」
「どの口が言ってんだ」

文句を言ってやろうと思ったのに予想外の攻撃を返されて、「え」でも「へ」でもない間抜けな声がでた。

先生が先生でない時間のふとした瞬間を見てしまうのは、この目がその姿ばかり追うようになってから当たり前に多くある。
例えば、相応に大人同士の会話シーンだったりとか、それが数年後の私にも備わっているか定かではないほどアダルトな匂いがしたとか、色気にやられているんじゃないかとか、羨ましいとか悔しいとか。やっぱり先生は心のどこかでは子供扱いをしているかもしれないなんて輪をかけて思ってしまう。

ても、待てって言ってくれたからさ。
いつかをくれたからさ。
見えもしない不確かな明日に挫けてしまわないように、大丈夫って言い聞かせて必死でいるけれど、それは思った以上に息が止まりそうで苦しい。だから正論ついでに荒だったモヤモヤをぶつけてやるつもりでいたのに。

「ど、ういう?……先生?それって、私もしてるってことですか?」
「さてな。俺はした覚えなんてないぞ」
「私もないですよ?」
「はぁ……何見たか言ってみろ」

そんな目で弱った心を追い詰められては口が開いてしまう。思うがままに全てを吐いてしまって、それなら先生はどうして私を浮気者だと言うんですかと言葉を返す。
きっと上手いこと言われてしまうと半分は諦めだったのに、今日の先生は珍しく苦そうに笑った。

「お前が楽しそうな程、立場を叩きつけられるよ」

互いに弱っただけだと解り合えるのは甘いことかもしれない。でも私たちの間にあるのは誤解が解けた仲直りで抱き合ったりできるような甘さじゃなくて、軽々しく触れる事もできずに伸ばした手は落ちるしかなくて、やっと出た言葉は「先生」でしかない。

「一途がいい事だとするのはエゴだろうな」

それでも思いはまだ続いてくれるかな。
いつかを待ってくれていると再確認させてくれた先生は、先生を利用して大きな掌を頭に乗せた。

「悪かったな」

苦そうな顔をして笑うけれど、頭に乗ったままの手に連れられて右に左に揺れながら見た眼差しは充分に甘くて、ひとまずは明日を胸いっぱいで迎えられそうだった。

「先生、浮気ってよくないと思うんです」

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