たとえどんな投稿がこようとも…
書いてやろうじゃねえか…!
どんな無茶ぶりも応えて見せるっ…!

そんなスタンスで、
無茶ぶりリクエストに対し、
1000文字前後の全力で
3人の管理人が挑みます。
−企画 panic room!−

第二弾 採用お題
【ベロベロに酔ったヒロインを
隊長sが介抱するも
面倒臭くなってサッチに丸投げ。
一晩中サッチに世話されるお話
なんて読みたいです。
サッチってそういうの
得意そうな…なーんて。】




勝手に覗き込まないで欲しい。眉を下げて心配そうに見てくる、あの目が嫌いだ。ごめんなんて言わないで欲しい。

私だけを特別扱いしてるのが解る。分かり易いその優しさは純粋すぎるんだ。だからその底抜けの優しさを、愛を、私は汲んではいけないと思う。

ストレートな君の愛に応えていいのは、真っ直ぐで、素直な子だけなんだよ。



「全く手に負えねぇよい」

「おいコラ!帽子引っ張るなって!!」

「やめろー!!離せええ!!この私がまだ飲むと言っているううう!!!」



乱暴に開けられた扉からゾロゾロと入ってくる男達は、暴れる女を抱えてやってきた。その後ろから落ちた靴を拾って歩くイゾウは、やれやれと楽しそうに笑っている。



「サッチ。こいつに水」

「へいへい。こいつはまた…とんでもなくハメ外したな」



取りあえずこれだけはと、中途半端な洗い物を片付ける間に、一人一人と姿を消し、結局最後に残っていたのはテーブルに項垂れるユメだけだった。



「ほらユメちゃん、焼酎だよ」

「うーん、飲みやすい」


間に受けて、グラスの水をぐびぐび飲むのを眺めながら、緩む頬を引き締める。


「でも…そろそろビッグバン起き…うっ」

「はいはい。行きますよー」


しばらく気まずそうな顔しか見ていない分、酒の力であったとしても、心のままに動こうとする姿を見てほっとする。堅苦しい顔でいつも何を考えているのかは解らないが、やっぱりこう、惚れた女には笑ってて欲しいもので。


「…ユメちゃんビッグバン終わった?」

「はい、今超サイレンスです」


顔色は随分良くなった。
しかし、こんならしくない飲み方をした理由くらいは聞きたいもんだ。



「次は顔洗って歯磨きしましょうねー」

「…まさか寝かそうと?まだ焼酎終わってませ…」

「歯磨きしてから飲むと、あの焼酎美味いんだってよ」

「そういうことならフレッシュ!」



普段は有り得ない我儘を楽しみながら、誘導が上手くいく度に、可愛いなぁとその手を握り。



「フランスパンいかがすかー!!!」

「はーい間に合ってますよー」


嬉しそうにはしゃぐ女を抱えて、今日は俺のもんか、と抱きしめる。

戻った二人きりの食堂、
焼酎という名の水を飲むユメの隣で、ずっと滅茶苦茶な話を聞いていた。

すると突然叩かれたテーブル。がたんと音を立てて、椅子が倒れた。



「サッチさん私ん事好きでしょ」


突然睨まれた事もそうだが、酔っ払いに核心を突かれた事にも、なんで怒ってるのかは解らないが、その怒った顔の可愛さにも驚いた。



「優しすぎんすよ、私悪い子だから罪悪感します。だから答えられるまで、自分に自信持てるまで待っててくらさい」


成程、近頃の浮かない顔はそのせいか。しかし自分のせいだったと解っても、全く反省する気になんかなれやしなかった。



「じゃあさ、これだけ聞かせてよ。俺の事好きか」



聞こえているのか、いないのか。
背を向け、鼻歌混じりにうろつきながら、カウンターの内側でボトルの物色を始める。しかし答えを諦めかけた頃、白い瓶を取ったユメは、ビーチの描かれたラベルをとんでもない笑顔で指さした。



「ここで結婚式したいっす」


もう、
ぶっ飛んだ返事に笑いが止まらなくて。この後、妙に素直なユメを連れて自室に戻り、抱き締めて寝たのは言うまでもなく。



「手、出さないんですね。私ハネムーンが先でもいいんですよ」

「それは朝にしとこっかなー」



明日。
酔い覚めの君に、
もう一度聞いてみるから。


【ブルーラグーン】




カクテル
ブルーラグーン/ 誠実な愛
ウォッカ 30ml
ブルーキュラソー 30ml
レモン・ジュース 20ml

作り方:シェイク
タイプ:ショート
度数:24度

白い瓶:マリブ

 


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