たとえどんな投稿がこようとも…
書いてやろうじゃねえか…!
どんな無茶ぶりも応えて見せるっ…!

そんなスタンスで、
無茶ぶりリクエストに対し、
1000文字前後の全力で
3人の管理人が挑みます。
−企画 panic room!−

第三弾 採用お題
【夢主がみせる極上の
デレに悶えるローかサボ】




弱いくせに何かと付いて回るこの女を、少し面倒だと思っていた。おまけに、こいつの頭に静けさという文字は存在しない。



「なんすかね!この花すごく…!」


「馬鹿野郎かテメェ!無闇に手出すなってさっきキャプテンが!!!」


「綺麗…………じゃないいいいい!!!」


花の中を覗き込んで内部の死骸でも見たんだろう。背後からは、高速の後ずさりと枯れ木の折れる音がバキバキ響く。
道中、もう何度目かの事で怒る気も失せる。


密林を抜ければある植物学者の施設へ、一人で抗体を受け取りに行く所だった筈が、キャプテンの護衛をしますといつものように五月蝿いのが付き纏い、それに寄り添うように、はたまたそれの護衛というように、4人ほど後ろを付いてきた。



「おい…流石に何か服着た方がいいんじゃないか?得体の知れない虫に食われるぞ」


「えっ!早く言ってバカ!……にしてもパジャマしかないっすねぇ」



もそもそとリュックから白熊の着ぐるみを取り出し、着込みながら中のものを脱いで、首元まで上げたチャックの隙間から器用に引き抜いていくのを見ながら、脱ぐな脱ぐなと騒ぐ声が聞こえてくる。

馬鹿がと悪態をつき、放って置いて先を急ごうかとしばらく歩いてから、密林をつんざく絶叫と馬鹿笑いを聞いて走り戻った。



「何があった」


「キャプテン!突然ユメがのたうち回ってこうで…!」


頭を抱える間もなく担いで研究所に入り、爆笑と絶叫を繰り返しながら、文字通り虫の息になっていくユメを学者のデスクに転がせる。時間より早かったなぁと言った学者は直ぐに状況を把握し、他の研究員を連れて現れた。



「服!服をどうにか!」

「ほら脱げユメ今すぐ!!」

「……嫌……私キャプテンじゃないと…見せられない」


「……あ?」


護衛も何も要らないが、百歩譲って必要だったとしても役に立ったことは無い、面倒臭くて五月蝿いだけのこの女に、何故こんなにも寛容でいられるのか。



「キャプテンにしか見せたくない」


そう不思議に思っていたところへ、あらぬ方向から刺された気分で目を丸くする。その間に集まった妙な視線と沈黙は、また溜息ばかり連れてきた。



「お前ら出ていけ」

「…………あ、ハイ」

「失礼しやした…」



「……ユメ…ユメ。俺の名が解るか」


「熱い……ロー………さん、はやく……」



取り残された部屋に掠れた声が響く。頭を抱え、思わず伏せた溜息で、卓上の新聞がくしゃりと皺を立てた。


【昏睡中】

 


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