ここは寝室であるなと、
意識がベッドの質感と人肌へ向く。
深めに吸った空気は冷たく、鼻がツンとして、
目を開けるより早く「寒い」と一言。
緩く絡まっている人肌が足りなくて、
隙間が埋まるように擦りついた。
「ンンー…?あっためてやろうかァ…?」
彼も目覚めた所らしく、
開口一番は同じ様にゆったりと気だるそう。
ただ、
嬉しそうに上がる語尾はより小さく、
甘く、やや高めに発されたせいで掠れて裏返り、
色味があった。
力を込めるために鼻から逃げたフという息遣いがおでこの当たりを温めて、同時に全身で節々の曲線を撫でさすって絡めるから、彼が言う"あっためる"が昨晩の続きである事は直ぐに解った。
でもこの、夢へ戻そうとする睡魔と"あっためる"をしたがる彼に引き合われるのは堪らなくて、このままがいいと強く力を贈り返す。
「…んん。嫌だぁ」
「…ナァンデェ…」
「まだあ…」
「…まだァ、…なァに」
ゆるゆるとした発声を真似る様な、
合わせる様な掛けあいの間も、
わざとくねらせる体を、伺う様に押し付けてくる。
「…だぁめだ…まだ寝る…」
可愛いなと思っても、
幸に押された眠気には勝てない。
「はーに?…はーに……Hoooneeey…」
顔のあちこちを啄まれる中、
「夢の中でね」とだけ残して、好き勝手にむぎゅうとされながら、本格的に意識を睡魔に預けた。
次の目覚めは、
寒暖差がより一層あった。
はだけたパジャマと、熱を持った君と、
呼吸の整わない私と。