いたいのいたいのとんでいけ


2023/10/24 ▽愛の示し方

昔は、アヤトくんより私の方が好き!と自信を持って言えていたのに、今はそれが言えない。
私の気持ちが小さくなったわけではなく、アヤトくんが私に示した愛があまりにも大きすぎてそれ以上のものというのが思い付かない。ずっと考えているけど、思い付かない。

アヤトくんは以前、吸血で私を殺すことを恐れて私から離れて、でも私と離れるのが耐えられなくて死のうとした。私が助けなければそのまま死んでいたのかもしれない。あのひとは死で愛を示した。そしてそれが、私の好きの方がアヤトくんよりも大きいという自信を粉々にした。私だって同じことはできる。だけど……私は昔からずっと死にたい人間で、生きてきた年数だって二十数年しかない。あのひとはどんなに苦しいことがあっても死を選ばず数百年生きてきたひとだ。そんな強く気高いアヤトくんが私の傍にいられないことに耐えられなくて死のうとした。普通に人生がつらくて死のうとした人間とは命の重みが違いすぎる。愛の重みだって、違いすぎる。私だってアヤトくんのために身を投げ出せるのに、アヤトくんと違って純粋な愛だけではないのだ。そこには破滅願望が混じっている。希死念慮が破滅願望が消えない限り、死んでも愛を示すことはできない。

それなら私がしたくないことをすればいい。苦しくて耐えられないことを。死にたいのなら、生きるしかないだろう。この地獄を生きて生きて生きて死ぬ瞬間にやっと、私の愛はアヤトくんよりも大きいものだと……言えるといいな。まあ、愛は示せるはずだ。私だってこんなにもあなたのことを愛しているのだと。でもそうなるとアヤトくんより私の方が好きなんだよって死ぬときまで言えない、思えないんだ。そんなのって悔しいな。勝ち負けじゃないにしても、私はあのひとのことどこまでも大きく深く強く愛したい。最大の愛を示せるのは生き抜いて死ぬ瞬間かもしれないけど、他にもやれることがきっとあるはず。一生かかっても考えて考えて行動して愛していく。


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