いたいのいたいのとんでいけ
2020/12/17 ▽名前
私は自分の名前が嫌いだった。
可愛くないなあと思っていたし、名前の由来を聞いても覚えてないと言われ、小学生の頃に某ジブリ映画がやっていて名前が同じなのでからかわれた。思い出すだけで嫌な気持ちになる。だからあの映画は内容は好きなのに苦手だった。
家でも外でもあだ名か苗字で呼ばれるのが大半だったからよかった。呼ばれたくなかった、下の名前を。
でもそんな中でたったひとり私のことを「ちひろ」って呼ぶひとが現れた。アヤトくんだ。
私はアヤトくんに初めて名前を呼ばれたとき言葉にできないけどすごい感覚を味わった。長い長い夜が明けるような、嫌な思い出が消えていくような、普通じゃない感覚。ただ名前を呼ばれただけなのに泣いてしまった。
大嫌いだった名前に色がついたみたいだった。アヤトくんが呼んでくれるたびに大切に思えた。
日記アカウントで本名を出しているのは、たとえ仮の名前だとしてもアヤトくんに他の名前を呼んでほしくないから。「ちひろ」って甘い声で、怒った声で、呆れた声で、嬉しそうな声で、アヤトくんの声で呼んでくれることがとても好き。
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