単体式

泣く・哭く・鳴く

午前三時 きみの泣き言を聞きながらカップラーメンを待つ ぼくのためだけに泣く子 泣けど哭けどあの夏は枯れたまま 水性のイミテーション・ ブルー
あいしてるってだれが最初にいったっけ
さあ、だれだろうね
朝焼けのベッドできみの背をさすること・救われる気がしたんだ 泡にもなれぬ人魚の末路 右も左もわからぬまま、大洪水に巻き込まれて、痛みも青さもわからぬまま、きみのなみだの温かさだけが皮膚を侵した
ふやけた視界で愛は死んだ
愛によく似た酩酊感・生憎よく似た浮遊感
いつまでたってもひとりでなけないあなたに・きみが泣く理由はぼくが作ってあげるから
貴方がキスをするのはわたしが泣いているときって相場は決まってる
傷口になみだ
泣きたい日のトライフル
星も降らない夜だから・この夜が明けるまでふたりさめざめ泣いていよう
ゆるんだ涙腺は懺悔のキスを待っている


救われていたかったんだ

仮面の下で泣くから大丈夫

「20XY年のリトル・ミス・トーキョーより」 / 日曜の夜にはインビジブルな悪魔が住みついている / きみの「ごめん」とお巡りさんの必要性について / 「キスするたびにどうしようもなく怖くなるんだ」 / そういって唇をあわせる夜の軟弱さったらないね
痛覚はいつからだか鈍い
急所にはとどめのキスを
さよなら三角 また来る刺客
借金帳消し 貴方はだれかで上書き保存
炭酸、ボタン、あるいは魔法 / 弾けちゃってほら断末魔

いつくしみの美学
シークレット・ピアス
金星と木星の仲違い
ラスト・ワルツは地の底で
きみのこころの壁に穴をあける仕事

gyururi・gyururi
巡り巡って文明開花
月も欠けない夜だ
天下のクローン曜日
「さいご」だけが悲しい夜とハチミツ

あの子はもう目を覚まさない
きっとそれは悪魔のキス
パズルを埋める度にあなただけが欠けていく
あくる日のジオラマ
シンクに流した恋の残骸

794年 泣くよ わたくし上京中
三叉路にてきみを待つ
正しく息を止める日
4949泣くなよ頼むから
底無しのセルリアン / それはどうやったってきみに溺れていくような青

今ごろ必死にデリートキーを叩いたって消えてやんないよ  仮面の下で泣くから大丈夫

tesuto

あなたはぜったいにわたしの「ぜったい」なんかじゃない
だまされやすい男のままでいてください 私のために 貴方の愛する彼女のために/週末のごほうびのプリンを頬張るような軽率さできみを愛せたら
冷蔵庫で眠っていた缶詰を空けたみたいな夜のはなし/白桃みたいなあなたのうすい頬っぺたがたらりと溢れおちる瞬間を見たかったの それだけだったの
愛することに不向きな肢体/ぼくと死んでくださいだなんて軽薄なくちびるで告げられましても
あの子の60デニールをきみはやぶれない/そんなやさしい指じゃきっと暴けやしない/だってあなたはなんにもしらない 鉄を剥いだらみんな ただのか弱い乙女だってこと
朝焼けはトーストに乗せて頂いちゃいましたよ/こんな清々しい朝に愛を語ろうだなんて馬鹿げてる
埋め合わせはきみの作ったチェリーパイなんかでもいい
昨日の夕飯はボロネーゼだったとか、蟹座の今日の運勢はどうだったとか、デタラメに唄う彼女がすきでした ただのよくある恋でした
どうして胸に灯す星がちがうの 言葉を紡ぐくちびるはおなじ甘さで震えているのに
ジュースをつくるみたいに、わたしの不要物を取り除いて、きれいな気持ちだけをぎゅっとあつめて。そうして貴方に贈ります。
きっとうつくしいきみは想像したこともないんだね。ぼくのからだを流れる血の色がどれだけ穢れているか。
301号室のユニットバスにはシーラカンスが住みついている/彼女言ったわ 彼のペール・ブロンドはフェイクだって
夜に落ちていくあなたは宛ら修羅のようだ/おとなしく夜明けを待つくらいなら、きみと永遠の夜に閉じこめられたい
しってた ほんとはこの星に生まれ落ちたときからずっと、夜はつめたくあなたはさみしい
午前二時 揺蕩う電波の向こう やさしいこえがうずまき管をぐらぐら揺らす なにも言えないから代わりにピルを飲み込んだ
満たされないうつわにありったけの愛を注ぐのは何時だってわたしでありたい
欲するってだいじなこと あたしの生きる原動 なんにもいらなくなって、なんにも堪える必要がなくなった そんな日にはきっとあたし干からびて死んじゃうね しんじゃうからね
できそこないの僕のコピーが今日もどこかで産声をあげる
きみがテザートのいちごならぼくは気持ち程度に添えられたマッシュポテト
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