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future.両片思い



※名前変換なし×連載夢主


夜子はこの日。ソファーの上に正座をしてテーブルの上に置くスマホの前にいた。何の儀式なのか沖矢は遠巻きからその行く末を見守っていると、バイブレーションが響く。素早く手にとりロックを解除。深呼吸を繰り返しながらメールボックスをタップし届いたメール内容を読み上げると、夜子は突然天を仰ぎ奇声を発した。

『よっしゃぁあああああああああ!!!!!』

楽しそうだな、と動じない沖矢に飛びつくように両手を取って夜子は『ありがとう』と選挙が当選した議員みたいに握手をしぶんぶんと振り切れそうな勢いで腕を振る。

『来週、イベントに行ってきます』

ペロっと舌を出して上機嫌に自室へと向かう後姿を沖矢は見送りながら「うむ、かわいい」と頷いていた。













チケットを発券したコンビニ帰り。外はすっかり暗闇へ。それでも気にせずスキップをしながら自宅へ帰る帰り道。突然携帯の着信を知らせるブザーが鳴る。画面も見ずに少し高めの声色で「もしもし」と可愛らしく相手にかけた言葉に対する返答は5秒経ってもこない。無言電話か?と思った耳から離し画面に表示される文字を見た瞬間、夜子は固まった。その文字は安室透であったからだ。

{ 誰と間違えてあんな可愛い声だしたんです? }

ひえええええええ!!!! と悲鳴にならない悲鳴を喉で出しながらゴクリ、と一度唾をのみ込み震える手で耳にあてる夜子。

『あ、いや、その……ちょっといいことがありまして』
{ 誰かと間違えたのではなく }
『はい!それはないであります!』

普段はとても落ち着いて穏やかな声である安室だが、機械を通して届いた今日の安室は地獄の使者かと思う程地を這い、人間の恐怖を煽り立てる声だったために、夜子は身を竦ませ敬礼していた。傍を車が通り、運転席から彼女の姿を目撃した男はポカリと口を開けて夜子の傍を通り過ぎる。その僅かな周囲の音を聞き取った安室は更にその声で尋問を続けた。

{ 今、どこにいるんです?まさか外なんていいませんよね }
『あ、その…そ、そとです』
{ どこです }
『え、えっと…二丁目の近くのコンビニでございます』
{ 今から行きますのでそこから一歩でも動いたらあなたの貞操頂きますからね }

安室の本気の脅しに反抗心、反発心はなく。あ、これ絶対に実行する。破ったら犯されると身の危険を感じ取った夜子は大人しくコンビニの中へと回れ右をして引っ込んだ。
僅か5分後。安室は息を切らしながら到着したのを外で出迎えた夜子。彼女の恰好を上から下まで確認したのち、安室の額に青筋がくっきりとたっていた。

「なんでそんな露出が高い恰好をしているんですか。犯すぞ小娘」

口調の変化に『ひぃぃ』と脅える夜子。確かに今の彼女の恰好は短いパンツに少し大きめのパーカー。足は生足でサンダル。お風呂上りなのか髪がまとめられ少ししっとりとしていた。

『だ、だってすぐですし』
「なにが、どこがです」
『い、いやチケットの発券を』
「はい?」

夜子は説明した。熱弁をするくらいに説明した。オーバー表現だと思われるくらい身振り手振りをして安室に語った。それを腕を組みながら聞いているが、安室は大層お怒りなのか普段の笑顔がどこへ?というレベルで真顔だった。その表情に感情がない。寧ろあるなら怒りを通り越した姿である。

「大好きな男が出るイベントのチケットの発券期日が今日だったのを忘れてのこのこそんな恰好で外へ出て来たと、理解しました」
『語弊があるのですが、今は何も指摘しません』
「よーーく解りました。あなたが全く、全然、これっぽっちも男を理解していないのが、本当によく解りました」
『あ…あ、むろ…さん?ちょっと…その、こわいな〜って。その…こわい、なって』

危機を察知した夜子が後退する前にその手首を掴み引き寄せ腰に腕を回した。肌が密接になるその距離よりも、股の下に足を入れ腰のあたりを撫でるように触る彼のいやらしい手つきの方に注視がいき夜子は恥じらい押し返すがビクともしないどころか、耳殻に唇を寄せ歯で噛まれる。

『ひぃっ』
「教えてあげますよ。男がきみのその姿を見てどんな淫らな想像をするか。それを実際にその脳裏に叩きつけるのでしっかり学習してくださいね、夜子さん」
『ご、ごめ…な、さいっ』
「遅いですよ。今更謝られても……明日は調度オフなので出来の悪いきみに付き合えますから僕の事は気にしないでください」
『ぁのぉ…わ、わたしは学校ある、のですが……』
「……行けるなら行ってもいいですよ。行けるなら、な」

膝が彼女の弱い部分を刺激し息をつめ彼にしがみつく。やや感じている夜子の崩落しかけているその表情を見て下唇の表面を舌で舐め。安室は「はやく食べてしまいたい」と熱が籠る下部を押し付けた。













その後。夜子はその声優イベントに行けたのかは勿論……行けなかった。何故ならそのチケットを破られ、燃やされたからである。

―――いずれこうなったらいいな、という関係のふたりより