砂糖と反撃
最近アラームがなるより早く起きることが増えた。早く起きすぎても時間をもてあましてしまうので本来起きる時間までは布団の中でスマホをいじったりして時間を潰している。けれど最近、ちょっとした日課ができた。
『…うぇへへ……かわいいなぁ……』
彼の頬をつついたり撫でたり。髪に触れたり。普段恥ずかしくて近づくことができない分、彼の意識が夢の世界に遊びに行っている間に沢山彼に触れること。すぅすぅと隣で寝息を立てて眠っている彼はまるでお人形さんみたいで、この世のものとは思えない程綺麗だ。透き通るような白い肌、細くてやわらかい髪の毛、長いまつ毛。その全てに自分が劣っていることに若干の悔しさを感じるも、それ以上に言葉には言い表せない程の好きの感情が溢れる。
『……かなた〜?……すき、だいすきだよ〜…』
モゾモゾと彼に近づき一方的に声をかける。もっと近くで彼を見たい、と無意識に顔が近づく。あー、このままちゅーなんてしたらかなたは驚くかなあ。鼻が触れるか触れないかという距離に近づき再度彼の頬を撫でながら声をかける。
『かなた、いつもありがと』
『だいすきだよ、ずっとずーっと一緒にいようね』
「もちろんですよ…♪」
『なっ…ぎゃ!?痛い痛い痛い!!』
突如としてぱっちりと開く彼の瞳。驚くのも束の間。彼に近づいていたのが悪かったのかとんでもない強い力で彼に抱きしめられ、拘束されてしまった。あまりの恥ずかしさに彼の胸板を押して離れようとするも彼は力をゆるめることなく口を開く。
「うふふ、おかおがまっかで『たこ』みたいですね〜」
『ゔ…ころして…ころしてくれ…』
「ずっとずぅっと『いっしょ』にいるんでしょう?」
『わ、ざわざ掘り返すな!!』
てっきりちゅーされちゃうかとおもいました〜なんてへにゃりと笑う彼。そんな彼が愛らしくて言葉が出なくなってしまう。顔が熱くて今ならお湯がわかせそう。少しでも彼と距離を取ろうと逃げようとしても相変わらず彼は私を逃してくれない。
『か、かなたさん?わたし、お仕事行く支度したいなあ…?』
「う〜ん…まだじかんはあるので、もうすこしぎゅ〜ってしててもいいですよね?」
『い、いやいや…時間があると言ってもあと数分だし…数分なら先に起きてても……』
「くすくす、おやすみなさぁい…♪」
『ちょ、かなた!!待って!!せめて腕の力緩めて肋そろそろ死ぬ!!!』