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はじめまして(久しぶり)
フリーター×大学生(4)
意識を失ったみつる君は、俺がトイレに戻って抱き抱えると意識を取り戻した。
「大丈夫。俺は何もしませんから。取りあえず体を拭きましょう」
厨房から拝借してきた大量のおしぼりで体を拭いて行く。
最初は本人に渡して拭いて貰ったが、手が届かない場所は俺が拭くことに。
「すぐ済みますから、少しだけ我慢してくださいね」
「……やっ」
ぬるぬるとぬめったアナルは赤く腫れ上がり、話を聞く限りは舐め回されて男の指の束と亀頭が入っただけらしいが凌辱されたことには違いない。
幸いぬめりは精液ではなく唾液のようだったが、男がそこを舐め回したかと思うと腸(はらわた)が煮え繰り返る思いがした。
「立てますか?」
「ありがとう。大丈夫……」
しばらく待ち、ふらふらながらなんとか立ち上がったみつるくんを支えながら店を出る。
みつるくんの仲間や周りに惨事を知られないようにするために少々演技が必要だったが、幸い場所が場所なだけに酔っ払いが酔い潰れたように見られているようだった。
なんとかタクシーに乗り込み、一息つく。
「どちらまで?」
「ちょっと待ってください。お客さん、家はどこですか?」
「あ……」
どうやらみつるくんは家族と実家住まいらしく、今夜は帰れないと言い出した。
確かに今の状態だとみつるくんに何かが起きたことは明白で、まさか男に強姦されたとは思われないだろうが、ある程度落ち着いてから帰った方がいいのかも知れない。
「どうしましょうか……、そうだ。お客さん、明日はお休みですよね?」
「えっ、うん」
「じゃあ、家に友達のところに泊まるって電話してください」
「え?」
「よかったらうちに泊まりませんか?ちょっとここからは離れてるけど」
「……いいの?」
「もちろん。運転手さん、S町方面にお願いします」
俺は例のバイトの最終日にみつるくんの大学を知り、即、みつるくんの大学近くの居酒屋でアルバイトを始めた。
みつるくんがもしも飲みに来てくれたら、ある程度顔見知りになって……って感じで時間をかけて口説き落とそうとは思ってたんだけど。
例の日からはまだ一週間ほどしか経っておらず、まさかこんなに早く再会出来るとは思ってもみなかった。
「お客さん、大学生ですよね?K大学の学生さんっすか?」
「あっ、うん。そう。ってか、敬語でなくていいですよ。多分お兄さんのほうが年上だから」
「そうですか?じゃあ遠慮なく。えっと……」
「松島です。松島みつる」
「俺は奥田翔馬。みつるくんはいくつなの?」
「二十歳です」
「なんだ、タメじゃん。ならタメ語で話さない?みつるくんがよかったらだけど……」
再会したシチュエーションは最悪だったけど、わざとらしい感じにはならなかったよな?
出来れば酔い潰れたみつるくんを介抱するパターンがよかったが、犯されたみつるくんを介抱する最悪のパターンになってしまった。
犯人に対して殺意もわきまくりだけど、今はその話はしない方がいい気がする。
俺はゲイだからどうでもいいけど、ノンケのみつるくんは男に犯されたからってそうは簡単に被害届は出せないだろうし。
気を紛らわせるためにも無駄話をして、タクシーに揺られること数十分。
ようやく我が家に帰り着いた。
「ボロいとこで申し訳ないけど、適当に座ってて」
俺が暮らしているのはワンルームのボロアパートで、そう言ってホットミルクを用意して、風呂も沸かした。
「一応、バストイレ付きだから、それ飲んだらシャワーを浴びて来るといいよ」
「……ありがと」
「どういたしまして。遠慮しなくていいからさ。取りあえず今日のことは全部忘れて……って、俺のことだけは忘れられたら困るけど」
「はははっ、うん。奥田くんのことは絶対に忘れないよ」
みつるくんの一言に思わず心の中でガッツポーズをしつつ、平静を装う。
ホットミルクを飲み終えたみつるくんが風呂場に消えるのを確認して、緊張の糸を解いた。
「はあ……、緊張した」
何しろあのみつるくんが家にいるのだ。
おまけに酒とさっきまでの悪行のせいで、色気が半端ない。
この状態は目の前に大好物の据え膳を置かれた状態だけど、まさか犯されたばかりのみつるくんに手を出すわけにもいかないし。
「くっそー、あの野郎……」
さっきのみつるくんの惨状を思い出し、唇を噛んだその時、風呂場から何かをぶつけたような大きな音がした。
「みつるくん!!」
慌てて風呂場に向かうと、みつるくんは自分の体を抱え込むようにして地べたにうずくまっていた。
どうやら大きな音の正体は取り落としたシャワーヘッドが浴槽の縁(へり)に当たった音のようで、みつるくんの近くに転がっている。
「取って……」
「え?」
「取れない」
みつるくんに駆け寄ると、みつるくんは何かを呟きながら俺のことを見つめて来て、次の瞬間には裸で抱き着いて来た。
「みつるくん?!」
お風呂に入っているんだから裸なのは当たり前なんだけど、なるべく見ないようにしながらみつるくんを抱き留める。
「どうし……」
「手、届かない」
「どこに?」
一瞬、言葉に詰まり、
「お尻……」
「え?」
「の奥」
「……っっ、まさか奥に出され」ち、違くて。お、奥に薬」
「薬?」
「お尻に薬、入れられた」
涙ながらにそう訴える。
もしかして媚薬か軽い筋弛緩薬もどきの薬をアナルに入れられ、奥が疼いているのかも知れない。
みつるくんが敏感で薬が効きやすいのは立証済みで、おまけに快楽にも弱い。
薬の中には即効性があるうえに持続性にも優れたものもあり、ゲイの間では様々な薬が出回っている。
「お、く、熱い……っ」
みつるくんに取ってとお願いされたが、きっと薬は既に溶け切っている。
だからこそ体が疼いて仕方がないのだが、こうなってしまえば薬の効き目が切れて、みつるくんが満足するまで相手してやるしかない。
「ちょっと我慢して」
「ふぁ……んっ、指ぃ。指、や……」
「ごめん。奥まで入ってるなら、なかなか取れないかも知れない」
「やぁっ、取って、取ってぇ」
薬が入れられたであろう時間から逆算すると二時間ぐらいで、普通の薬ならそろそろ効き目が切れるはずだ。
強い薬でもあと一時間もすれば切れるはずで、奥を探るふりをしながらみつるくんが一番感じる前立腺を弄った。
「やっ。そこ、ぐにぐにしないでっ」
「ここ?」
「ふぁぁんっっ」
二本に束ねた指も簡単に挿入を果たし、更に指を増やして奥をえぐってやる。
お湯で柔らかくなっているお陰か、潤滑剤の出番はなさそうだ。
奥をえぐりながら指の束で突いてやると、あの時のように可愛く鳴いてくれる。
起きているみつるくんの可愛さはあの時の数倍増しで、思わず勃起してしまった俺はこっそり自分のものを取り出した。
「もっと奥かな?いや案外、入口付近にあるかも……」
「ああんっ、お尻っ。奥っ、奥にっっ」
ぐりぐり掻き混ぜながら肉壁を擦り上げると、みつるくんの腰がびくびくと小刻みに跳ねる。
服が濡れるのも厭わず、真正面からみつるくんを抱きしめた。
目の前に現れたうなじの髪の生え際に、うっすらと俺がつけたキスマークが見える。
俺の胸にしがみついて来る彼の中を指の束で探りつつ、反対の手で自分のものを慰める。
「……っっ」
「はんっはんっ、ああっ、や、あ……」
正直、無茶苦茶に抱き潰してやりたかったが、さすがに初対面では手を出すわけにはいかない。
何度も触れた敏感な体。
最終日には念願叶ってみつるくんを抱き、何度もみつるくんの中で射精した。
俺にとっては久しぶりでも、起きてるみつるくんにとっては初対面の俺。
それでも潜在意識で俺のことを覚えていてくれているのか、何をやっても嫌がるそぶりは見せなかった。
いつの間にか俺のは勃ち上がったみつるくんのと密着していたが、感じ切っているみつるくんはそれに気付かない。
「ああっ、イくイくイく……っ」
「はぁ、はぁ、何度もイっていい、よ……っっ」
みつるくんが何度もイっている。
そのうちの何回かは、俺もこっそり一緒にイった。
「きっ、キスして……っっ。んんっ」
思い掛けずねだられ、激しく口を塞ぐ。
「んんっ、むむ、んっんっんっ」
優しくしてやりたいけど、思ったように自制が効かなかった。
「みつるっ、みつるっ」
「ふぁぁぁんんっっ」
四本の指の束でみつるくんを無茶苦茶に犯しながら、自分のものをごりごりとみつるくんのものに押し付ける。
「あ、と。ごめん。ちょっと調子に乗った」
「そんな!俺こそごめん、その……、なんかヘンなこと頼んじゃって」
風呂から上がった後の気まずさと照れ臭さったらなかった。
みつるくんも今回はしっかり意識があったはずで、記憶もしっかり残っているだろう。
自分の恥態に加えて男の俺にキスもねだったわけで、みつるくんからすればそこらに穴を掘って潜りたい思いに違いない。
それでもなんとか連絡先を交換することに成功し、あらかじめ登録してあった分は後でこっそり消去した。
あんなことがあったからもう来てくれないかと思ったが、バイト先の居酒屋にもわりと頻繁に顔を出してくれている。
「あ、いらっしゃい」
「こんばんは」
ただ一つ不満を言えば、いつも同じサークルのメンバーで来店するってことぐらいかな。
その中に先輩らしき図々しい男がいて、酔っ払うといつもみつるくんに絡んで体をべたべた触っている。
男はどうやらゲイではないらしいけど、みつるくんの可愛さをもってすればいつ何が起きるかわからない。
「さて、どうしたもんかな……」
今度はみつるくんとどうやって親密になるか、悩み始めた俺だった。
End.
▽キャスト
攻め:奥田 翔馬(20)
受け:松島 みつる(20)
※攻めの名前が判明。
鉄板は媚薬を掻き出してあげると騙して××ですが、取ってとお願いされたなんともラッキーな主人公。
私が書くものは攻め視点が多めかも。
▽シリーズ
フリーター×大学生
2016/12/16
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