放課後のチャペル4


「ん……」
目を開けると見慣れた天井が見えていた。
「あ、なまえさん、起きた?」
「モブ…くん!?え!?」
ガバっと起き上がると、ベットの横のカーペットに、ちょこんとモブくんが座っていた。
はらりと私の額から落ちたタオルが、ベットに落ちる。

どうしてモブくんが私の部屋に!?というかいつのまに私寝て…っ!?
という私の自問にモブくんは答えた。
「なまえさん、熱出て倒れたみたいだから、ここまで運んだんだ。ごめんね勝手に部屋まであがっちゃって…」
モブくんはどこかそわそわして落ち着きがなかった。
「そっか私、公園で…あ、ありがとうモブくん…」
公園から私の家まで近いと言っても、一人で運んだのなら大変だっただろうな、おんぶされたのかな…
モブくんに、おんぶ…
かああと顔に熱が集まる感じがした。

「ごめんね、重かったよね」
「ええっい、いやそんな、ことない」
しどろもどろに答えるモブくんに、やっぱり重かったのかな…とショックを受けた。

ピリリリ…ピリリリ…
無音だった部屋に電子音が流れた。
モブくんはポケットをあさって携帯を取り出す。
「もしもし…。はい…え?今すぐですか?はぁ…まぁ分かりました」
モブくんが携帯をパタンと閉じて、はぁと息を吐いた。
「すみませんなまえさん、呼ばれたのでこれで失礼します…」
「うん、ありがとモブくん…」
「じゃ、じゃあ安静にしててくださいね、僕はこれで…」

そこで私は何を思ったか、立ち上がって部屋の外に向かおうとするモブくんの袖を掴んでしまった。
「…?」
モブくんに不思議そうな顔で見つめられて、自覚した。
私はなんで引き止めてしまったんだろう!
慌てて手を離した。
「ご、ごめん、なんでもないの…」
ただ、もう少し一緒にいたい、なんて思ってしまった。
「送るよ、玄関までだけど」
ベットの端に手をかけ、立ち上がろうとすると目の前がクラクラした。

「あっ」
やばい、と思ったときにはもう遅くて、体が前のめりになったのを感じた。
床にぶつかると思って目を閉じて衝撃を待った。

だけど、床の感触じゃない何かに阻まれ、痛みがなかった。
「あれ…」
「なまえさ…ん…」
私が倒れこんだのはモブくんの胸で、モブくんの顔を見ると耳までゆでだこみたいに真っ赤になっていた。
「ご、ごめんモブくんっ怪我とかない?私…」
「僕は大丈夫…です…」
「モブくん真っ赤だよ?もしかして風邪うつっちゃったとか…」
「そ、そうじゃなくてその…」
身を起こしたまましゃべっていたら、モブくんに跨ったままの体制だということに気づいて更に慌てた。
「ひゃぁあっ」


「なまえさん、お大事に」
玄関で見送ったモブくんにそう告げられ、
私は体がだるいのに、早くも元気になった気がしていた。
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