東の青年と幼馴染
初恋は実らないと。
そう俺に教えてくれたのは、俺の初恋の人だった。
その人は「美しい」と言うよりも「愛らしい」と呼ぶのが似合う、少し年上の女性で、いつも俺を弟のように可愛がってくれていた。
だが、所詮は弟だ。
ある日、村を訪れた旅人と彼女が恋に落ち、そして結ばれるまでの間、俺はただそれを見守っていることしか出来なかった。
幸せそうな彼女に、何も言うことが出来なかったのだ。
『あなたも好い人を見つけて、きっと幸せになってね。』
初恋は実らないと、彼女は教えてくれた。
そして、二度目の恋が実るとも教えはしなかった。
「なぁ、アシタカ。」
だからこの恋も、どうせ実りはしないのだろう?
初恋とは実らぬものだと。
そう私に教えた者が、きっと私にとっての初恋だったのだろう。
いつも明るく笑って人懐っこく、だが時折少し寂しげな顔を見せる幼馴染みの友。
彼が見つめているのはただ一人で、私はそんな彼の横顔をただ眺めるだけだった。
そして彼が恋慕っていた女性が旅立った日も、彼は寂しげに笑っていた。
『あなたも好い人を見つけて、きっと幸せになってね。』
私の初恋は実らなかった。
そして今、再び始まろうとしている。
「なぁ、ケント。」
これは二度目の恋なのだから、きっと実ってくれるはずだろう?
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(そう教えてくれたのは君でした。)
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嘘つき、ロンリー。