河の神と按摩師


「いい匂いがしますねぇ…」


あの辺り、そろそろ花が咲きそうですよ。

そう言ってケントが杖をくるくると回してみせた先で、下働きの娘が植え込みに水を与えていた。


ケントがそう言うのなら、きっと数日中に満開となるのだろう。


「色とりどりの花が咲くそうで、それを女衆の誰かに教えてもらうのが私の楽しみなんですが…あぁ。」


ふとケントが小さく笑う。

どうかしたのかと問う前に、ケントはこちらへ顔を向けた。


「今年はハク様に教えてもらうことになりそうですねぇ。」


それだけ彼の傍にいることが多いと、からかわれたような気がした。


まるで親離れできない童のようだ、と。


(…それでも……)


何も言わず、杖を持つ手に己の手を重ねる。

ケントは笑みを浮かべるのを止め、不思議そうに首を傾げた。


「ハク様…?」

「その役目、今年と言わずこれからは私が引き受けよう。」

「え…」


一瞬の間。

そしてその言葉を吟味し終えたのか、ケントは少し困ったように、また小さく笑った。




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花が咲き続ける限り、あなたの傍に。


(優しい人よ)
(貴方はここに囚われてはいけない)


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アンケートより。
リクエストありがとうございました!




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嘘つき、ロンリー。