河の神と少年
※映画終了三年後。
※千尋成り代わり♂。
「…ねぇ、あの人かっこよくない?」
校舎を出た瞬間、そんな色めき立つ女子の声がした。
釣られて見た先は校門。
そして、
「あ、本当だ!超かっこいい!」
「うちの学校に何か用かな…もしかして転校生?」
「まさか。今の時期に?それより誰か待ってるとか…」
周囲の声が一気に遠ざかった気がした。
そこにいたのは同い年くらいの少年。
色白の肌に綺麗な顔をして、女のようなサラサラの髪がいつかと同じように風に靡いていた。
「ハ、ク……?」
小さな声で恐る恐るその名を呟けば、まるでそれが聞こえたかのように少年がこちらへと歩き出す。
周りは一層色めきだった。
「ケント!」
最後はほとんど駆けるようにして、俺の名前を呼んだその少年は―…ハクはそのままの勢いで俺を抱きしめた。
きゃあ、と黄色い悲鳴が上がる。
「良かった…忘れられていたらどうしようかと思った…」
少し恥ずかしかったが、耳元で聞こえたハクの声が震えている気がして、俺はそっと抱きしめ返した。
「…忘れる訳、ないだろ。ハクは俺にとって大切な…」
河で、湯屋で、二度も助けてくれた。
俺は何も返せなかったけど、それでも何も言わずただ優しく微笑んでくれた。
忘れられるはずがない。
「でも…どうしてここに?」
「迎えに来たんだ。」
さぁ、行こう。
そう差し出された手は白く綺麗で、きっと冷たくて…
でも優しいことを知っている。
「………あぁ!」
迷いは、なかった。
―…某月某日。××中学校に通う男子中学生(13)が帰宅途中、知人らしき少年に連れ去られる事件が発生。
だが後日、少年の両親は捜索願を取り消した。
「二人はとても幸せそうでした。」
最後に少年を目撃した級友らは口を揃えてそう証言したという。
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十三歳の成人式
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嘘つき、ロンリー。