河の神と同僚
※変態注意?
ここ『油屋』の主人は湯婆婆だが、実質取り仕切っているのは俺とハクの二人である。
ハクは帳簿等の事務一切を取り纏め、俺はと言うと現場の監理が主な仕事だ。
勿論、契約の力によって湯婆婆には逆らえないが、『多少の厄介事』は湯婆婆抜きでも俺達だけで対処することが出来る。
まぁ、大抵の場合はハクが一人で手際よく片付けてしまうのだが…
「おーし、一丁上がり。」
『油屋』の雰囲気にそぐわない無粋なお客様方を丁重に見送って、こちらの様子を窺っていた従業員らにも持ち場へ戻るように促した。
その流れに逆らって一人、こちらに向かってくる姿に気付く。
「…ケント。」
「おう、ハク。帰ってたのか。こっちは『問題なし』だ。」
外から戻ってすぐ、騒ぎを聞いて駆けつけたようだ。
安心させるように片手をひらひらと振って見せれば、何やら難しい顔をして俺を見上げていたハクは溜め息をこぼした。
「怪我はないか?」
「ないな。」
「着衣に破れは?」
「ん…大丈夫だろう。」
「処女は守れたか?」
「お…………お?」
…今のは、何かの聞き間違いだろうか。
何だかとてつもない言葉の暴投だったような気がするが。
そう返答に詰まっていると、元々色白のハクはその顔をますます青ざめさせ、
「!まさか…っ」
「いやいやいや、待て待て待て待て。」
まさかって何だ、一体何の話だ。
そう混乱する最中、何故か俺の穿き物に手を伸ばしてきたハクに気付き、慌ててそれを阻止する。
「放せ、ケント。私には確認をする義務がある。」
「か、確認?何の?というか、それはこちらの台詞だ。おい、放せ!」
「私の確認は必要ない。私が上なのだから。」
「はぁ?誰もそんなことは言ってないだろ!それに上下関係で言えば俺の方が古株だ!」
「何を……いや、そうだな。そなたが上に乗るというのも、それはそれで」
「何でもいいからさっさと放せ!」
今度は何の騒ぎかと、いつの間にか再び従業員らが集まってきていたが、今はそれに構っている暇はない。
全く意味が分からない。
長い付き合いである仕事仲間の突然の乱心に、俺は少し泣きそうになっていた。
「ケント、啼くなら床の上で」
「だから!何の話だ!」
運命の瞬間
(多少では済まされない厄介事が発生)
(これが全ての始まりになるとは、この時はまだ誰も知らなかった…)
(というか、誰でもいいから今すぐ湯婆婆を呼んでこい!)
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169500hitより。
キリリクありがとうございました!
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嘘つき、ロンリー。