小国王子と姫兄様


 
※ナウシカ成り代わり♂









(不思議な人だなぁ…)


灯りの反対側で眠る、その横顔を眺めながらぼんやりと思う。


腐海に不時着し、蟲達に襲われていた自分を助けてくれた、風の谷のケント。

果敢にメーヴェを操ったかと思えば、腐海の下に広がる空洞に「嬉しい」と涙してみたり。


(…腐海の謎、なんて考えたこともなかったなぁ…)


歳は恐らく自分と同じくらい。

だと言うのに、見ているものは全然違う。


彼には一体何が見えているのか、それが分からない自分がもどかしく、そして少しだけ悔しい。


「眠れない?」

「!?」


その瞬間、不意にケントと目が合った。


「あ、いや…っ」


まさか起きているとは思わなくて、てっきり眠っているのだとばかり思っていて…なんて言い訳を繰り返してももう遅い。

それよりも、先程からずっと凝視していたことを気付かれていたかと思うと、急に恥ずかしくなる。


赤くなっているだろう顔を灯りのせいにするのは、少し無理があるだろうか。


「今日は色々あったからね、無理もないさ。」


そう苦笑しながら上体を起こすケント。

一体何をするつもりなのだろうと見ていると、腰を上げ、灯りよりもこちら側へと、


「!?な、なにを…っ」

「ほら、アスベル。目を閉じてごらん?」


僕のすぐ側に腰を下ろしたケントに、慌てて僕も起き上がろうとした。

だがケントはそれを許さず、僕の目元をその手で覆い隠す。


「谷の子達もね、時々怖い夢を見たと言って―…」


クスクスと降り注ぐ小さな笑い声に、子ども扱いをされていることは分かっていた。

だが久しく触れていない人の温もりと、彼の人の穏やかな声を子守唄代わりに、ついうとうとと眠気が襲ってきたのだった。







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「……おやすみ、アスベル。」


(最後に聞こえて来た声に、)
(自分もラステルにとって良き兄であっただろうか、とそう思った。)


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リクエストありがとうございました!



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嘘つき、ロンリー。